2024年 4月 24日 (水)

90年の歴史「嘉穂劇場」と大衆演劇の今 「不思議と血が騒ぐ」場を守る生き残り策とは

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「全国座長大会」再開目指して

   近年、大衆演劇は全国にある常設劇場や、スーパー銭湯・健康ランドなどでの公演で巡業を行ってきた。しかし、前出の橋本さんによれば20年1月に46館あった劇場のうち2館が12月までに閉館、それ以上にスパでの公演がほとんどできなかったことが痛手だという。現在、スパでも大衆演劇の公演を再開しているところはあるものの、未だ公演を受け入れていない施設もある。

   苦境の一因はファン層に高齢者が多いこともある。「劇場も感染対策に気を使いますし、夏から秋にかけて客足も戻っていたのですが、冬に入って陽性者が増えたニュースでまた減ってきている状態です」(橋本さん)という状況だ。名物だった役者によるお見送りや握手も控えており、観客が舞台上の役者に渡す「おひねり」も減っている。「木戸銭だけでなくおひねりも劇団の収入源で、実は今の木戸銭だけで食べていくのは厳しいです」(橋本さん)とも。橋本さんがいくつかの劇団の座長と話したところでは、「来年春頃に客足が戻るかどうかが分かれ目かもしれない」という状況で、苦境が続けば役者の数を減らすことになるかもしれない、との苦しい事情がある。

    それでも、嘉穂劇場では今年中止になってしまった全国座長大会をコロナ終息の際には開催する予定だ。終息後を見据えて劇場と劇団は生き残りを図っている。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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