2024年 4月 26日 (金)

公立小学校「35人学級へ」 その最大の課題とは

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教員の働き方改革にも

   1学級の少人数化は、いじめへの対処、不登校や貧困世帯の子どもへの対応などきめ細かくできるメリットがあるほか、2020年度末までに小中学生全員に1人1台の学習用端末が配備されるのに応じた指導の充実が期待される。教員1人当たりの児童生徒数が減ることで、事務仕事や保護者対応などでの長時間労働が問題になっている教員の働き方改革にも資するはずだ。

   一方、課題もある。最大の問題が教員の質の確保だ。近年、高齢の教員の退職が増えているが、その穴を埋める新規採用で志望者数は減少傾向が続き、2000年ごろには10倍程度だった採用試験の倍率が、直近では3倍を割り込んでいる。特に、少人数化の中心になる大都市部では教員採用試験の倍率が低く、「実際に教員を増やせるのかという懸念が強い」(大手紙社会部デスク)。

   萩生田光一文科相は「教員の養成、採用、研修を一体的に改革する取り組みを加速する」として、ICT(情報通信技術)を活用した研修や教職課程の見直しなどを進める考えだが、状況の抜本的改善は見通せない。長時間労働で「ブラック職場」とも指摘される労働環境の改善を着実に進めるほか、専門家からは「免許を持つ社会人を中途採用する仕組みを工夫したり、外部の専門知識を持つ人を活用したりするなど、従来とは違う手法を考える必要がある」との指摘が出ている。

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