2024年 4月 19日 (金)

「みんな、ライブで生きているんですよ」 緊急事態宣言下でも公演開催、決断した業界トップの覚悟

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「この業界に身を置くことで、食いつなぐことができている」

   ――昨年には大規模会場で開催予定だった公演が、アーティストの感染で当日に開催延期が発表されたという例もありました。感染を防ぐ意味では然るべき対応だったかと思いますが、関係者、ファンのショックは大きかったのではないでしょうか。

中西:ライブがなくなるというのは、とても大変なことなんです。売れているアーティストは、全体の一握り。だから、ライブをたくさんやって、努力を積み重ねている。会場も借りていて、音響も照明も、舞台のセットも作っている。でも、ライブがなくなれば、多くの損失が発生し、極端なところでは働く人の雇用も失われます。

   ――それだけ経済的リスク、雇用のリスクが大きい業界だということですね。

中西:こういう状況でライブをやると「なんでこんなときに中止しないんだ!」と厳しく言われることもあります。世の中には飲食店で働く方もいれば、一流企業に勤めている方、町工場に勤めている方もいる。我々はたまたま目立つ場所にいるので、批判されやすいのかもしれません。
でも、みんな、生きているんですよ。この業界に身を置くことで、食いつなぐことができている。
だから、色々と(厳しいことを)言われるのが、僕には辛すぎて。それが、今回の声明を出した理由にも繋がります。ライブ産業は、舞台に立つ人だけじゃなく、そこに従事している方々の生活も支えている。そのことを、ちょっと思いやってほしいなと。

   ――生活を支えるという意味では、昨年6月に業界従事者への支援基金「Music Cross Aid」を業界2団体と共に立ち上げられました。寄付金や音楽イベントなどの収益をもとに、コロナ禍で厳しい状況に陥った事業者に資金を助成するものですが、成果は出ていますか。

中西:決して「すべて」ではありませんが、「今すぐ救わなければいけない」という方々に対しては、(助成について)早く結論を出せているのではないかと思います。個人レベルでは収入がゼロになった、という人もいるため、たとえ数十万円単位の支援でも大きい。ただ、今後は情勢的にもっときつくなる。そうした中では、我々の業界が基金を作って活動していること自体が重要になってくる。これからも当分、活動は継続していくつもりです。
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