2024年 4月 25日 (木)

坂本地方創生相なぜ国会に? 「てっきり濃厚接触者で来ないのかと...」コロナ経験の小川議員が追及

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   立憲民主党の小川淳也衆院議員が2021年1月25日の衆院予算委員会で、自民党の石原伸晃元幹事長が新型コロナに感染した際の政府の対応について追及する場面があった。

   小川氏は20年11月に新型コロナに感染し、入院療養を経て復帰したという経緯がある。その経験から浮かび上がった課題を指摘する一方で、感染判明の前日に石原氏と坂本哲志地方創生担当相らが会食していたことを「不謹慎」だとして、菅義偉首相に対して更迭を求めた。

  • 衆院予算委で質問に立つ立憲民主党の小川淳也衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)
    衆院予算委で質問に立つ立憲民主党の小川淳也衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)
  • 衆院予算委で質問に立つ立憲民主党の小川淳也衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)

「みんな14日間自宅待機するんですよ」

   石原氏は1月21日に行われた派閥の会合後、坂本氏や野田毅衆院議員と会食。同僚議員に勧められてPCR検査を受け、翌1月22日に陽性が判明。発熱やせきなどの異常はないが、不整脈の既往症があるため入院した。国会議員が新型コロナに感染するのは9人目。

   小川氏は質問の終盤で、一連の経緯を問題視。石原氏については「心からお見舞いを申し上げ、1日も早いご回復をお祈りしたい」とする一方で、委員会に出席していた坂本氏に対しては、21日に石原氏と会食・会合していたことを挙げ、

「私、不謹慎だと思う。てっきり今日は濃厚接触者で来ないのかと思った」
「これ、厳しく言えば引責に値すると思いますよ」

などと批判の言葉をぶつけた。坂本氏は

「2メートル以上離して、そして対面式ではなくて、三角形式で、しかもマスクをつけて、食べるときだけマスクを外していた」

などと説明。さらに、石原氏の感染判明後にPCR検査を受けて陰性だったことや、濃厚接触者ではないとの判断を保健所から受けた、などと話した。

   だが小川氏は

「一旦答弁受け止めますが、にわかに信じがたいんですよね。こういう不用意な会食をこの期に及んでする人たちが、会食時以外、用意周到に本当にマスクつけたんですか?」

などと説明を疑問視。さらに、濃厚接触者に認定された人も後に発症する場合があり、その場合、発症時期の多くが1週間~10日以内だと説明した。その上で、

「だから、みんな14日間自宅待機するんですよ。初日~2日目に検査を受けただけでは済まないのが、こういうことなんです。だから(会食や国会への出席は)控えなきゃいけなかったんですよ」

などとして、菅氏に坂本氏の更迭を要求。菅氏は

「先ほどの坂本大臣のここでの発言を私は信じており、更迭することは考えていない」

とのみ返答した。

「本当に気をつけて言わなければいけないが...」

   さらに、小川氏は、石原氏が「上級国民」だとして批判を浴びている問題も取り上げた。

「本当に気をつけて言わなければいけないが、この件に関して国民の間にこういう声もあるということで受けとめていただきたい」

と前置きした上で、

「あれだけ『会食駄目』と言っておきながら自分たちだけは特権かよ」
「症状ある人が入院できないのに、何で無症状で即入院できるんだ」

といった声が報じられていることを指摘。さらに小川氏は

「これは石原さんご本人、あるいはご家族のお気持ちを考えると、とても言えないし言いにくい。しかし現実問題、今申し上げたように入院できない、自宅で亡くなっているという方々が多発している状況の中で、この国政に携わる、しかも自民党の大幹部がこういうことだと、疑念を生じるのも無理はないと私は思う」

と述べた上で、菅氏にコメントを求めた。菅氏が

「石原元大臣が、どういう形で入院したか私は承知をしていない。ただ、今委員から発言がありましたこと、ひとつのご意見として受けとめさせていただきます」

と応じると、小川氏は

「難しいお尋ねであることはよく承知の上でのお尋ねでした」

と引き取った。

   小川氏は新型コロナに感染した経験者として、発熱の症状が出ると民間のクリニックの多くで診療してもらえない問題や、PCR検査を受けるために高熱で約1キロを徒歩で移動しなければならなかった問題など6点を指摘したが、議論は深まらないまま時間切れに。小川氏は

「今日はほとんどのことが指摘に終わっており、甚だ不本意。また改めての機会を」

と締めくくった。

   小川氏の立場は「議院運営委員会野党筆頭理事」で、予算委の委員ではない。この立場で予算委の質疑に立つのは異例で、小川氏も「本当に貴重なお時間をお預かりしている」と述べている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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