2024年 4月 19日 (金)

PCR検査「陰性証明」アプリで表示→搭乗手続き ANAが複数規格で実験「両方に対応して準備」

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   コロナ禍で国際線による人の往来が大幅に制限される中、PCR検査の陰性証明書をスマホのアプリで表示して搭乗手続きを行う実証実験を全日空(ANA)が羽田空港で始めた。

   陰性証明書をデジタル化して表示する取り組みは複数の団体が進めており、ANAが実証実験を行うのは今回が2例目。どちらが事実上の標準になるかは現時点では不明だが、ANAでは、いつかは訪れる国際線の需要回復を視野に「両方に対応して、準備を進めていきたい」としている。

  • 実証実験では、搭乗客が空港係員にスマホの画面を見せてチェックイン手続きを行った。紙の陰性証明書と比べて偽造しにくいのが特徴だ
    実証実験では、搭乗客が空港係員にスマホの画面を見せてチェックイン手続きを行った。紙の陰性証明書と比べて偽造しにくいのが特徴だ
  • 「IATAトラベルパス」のデモ画面。搭乗するフライトの情報やPCR検査の結果が表示される
    「IATAトラベルパス」のデモ画面。搭乗するフライトの情報やPCR検査の結果が表示される
  • 実証実験では、搭乗客が空港係員にスマホの画面を見せてチェックイン手続きを行った。紙の陰性証明書と比べて偽造しにくいのが特徴だ
  • 「IATAトラベルパス」のデモ画面。搭乗するフライトの情報やPCR検査の結果が表示される

紙よりも偽造しにくく、チェックインも簡単に

   現在、国際線の搭乗には大半の路線でPCR検査の陰性証明書が必要だ。例えば米国に渡航する際には、チェックインの際に紙の証明書を見せ、米国入国時にもランダムで提示を求められる。 今回の実証実験は、国際航空運送協会(IATA)が開発した「IATAトラベルパス」を利用。ANAの募集に応じた羽田-ニューヨーク、ホノルル便の乗客を対象に、5月24日から6月6日にかけて行われている。

   アプリでは、PCR検査を受けた医療機関が発行したデジタル証明書を取り込んで表示。さらに、各国が定める渡航要件をまとめたデータベースにアクセスし、旅行者が渡航先の基準を満たしているかを判定する。チェックインでは、スマホの画面を見せて手続きする仕組みだ。紙と比べて偽造がしにくくなったり、チェックイン手続きも簡単になったりする利点がある。

   初日の5月24日時点で約30人が応募。実験対象の初便となったニューヨーク行きのNH119便では、一時帰国から駐在先に戻るという会社員男性(52)が実際に手続きを行い、

「インストールまでは少し時間がかかったが、チェックインの時は問題なく動いた。(PCR検査の)結果を前日にいただいて、それを表示するだけだったので、操作は楽だった」

などと感想を話した。

今後はワクチン接種記録も

   ANAは今回の「IATAトラベルパス」とは別に、21年3月には、世界経済フォーラム(WEF)と連携して活動している非営利組織「コモンズ・プロジェクト」が開発するアプリ「コモンパス」を使った同様の実証実験を行っている。2つのアプリの機能に大きな違いはなく、今後はワクチンの接種履歴を記録できるようにする点でも共通している。ただ、「IATAトラベルパス」は航空業界に特化しているのに対して、「コモンパス」は、美術館や博物館での利用も想定しており、利用範囲が広い。ANAの松下正・国際提携部部長は

「いずれはまた、国際線も本格的に人の流れが回復してくる局面を迎える。その時に、しっかりとお客さまが安心感を持って飛行機をご利用いただける(ことが重要)」
「弊社は両方に対応して、準備を進めていきたい」

などと話した。実用化のめどは未定。国外と多くの往来が想定される東京五輪・パラリンピックに間に合うかについても、

「できるだけそういう思いでやってきているが、今から政府機関との調整もあるので、実用化できるかどうかは、今のところ未定」

と述べるにとどめた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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