2024年 4月 19日 (金)

「PUI PUI モルカー」なぜ社会現象に? Twitterでのブームを過熱させた「3つの要素」

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   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで話題になった話題を厳選し、考察するコラムの第6回をお届けします。

   今週は、映画館での全12話一挙上映が決定した『PUI PUI モルカー』の人気の秘密を探ります。幼児向けの番組で放送されたパペットアニメが、なぜこれほどの盛り上がりを見せることになったのでしょうか。

  • 劇場での上映も決まった「PUI PUI モルカー」(画像は公式サイトより)
    劇場での上映も決まった「PUI PUI モルカー」(画像は公式サイトより)
  • 劇場での上映も決まった「PUI PUI モルカー」(画像は公式サイトより)

そもそも「モルカー」って何?!

   『PUI PUI モルカー』は1話約3分のパペットアニメ。2021年の1月から3月にかけて、テレビ東京系列の幼児向け番組『きんだーてれび』内で毎週火曜日に放送されていました。

   第1話がオンエアされるやTwitterを中心に話題となり、その後も放送のたびにトレンド入り。「覇権アニメ」と呼ばれるほどの人気を獲得します。先ほどもお伝えした通り、7月22日からは映画館でも「とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー」とのタイトルで上映される予定です。

   モルモットが車になった世界でその車=モルカーたちが毎話奮闘するという、いかにもちびっこ向けなこの番組がSNSで話題になった理由は、次が考えられます。

<3分で吸える覇権アニメ『PUI PUIモルカー』ファンアートや考察多数でトレンド入りするがまた幻覚かと勘違いされる「幼児もウケてた」 - Togetter>

人気を加速させた3つの要素

   『PUI PUI モルカー』はモルカーのかわいらしい動きやスピード感のある展開など、ストップモーションアニメとしてとても秀逸な作品。しかし、大流行のカギはそれだけではありませんでした。

(1)かわいい見た目なのに毒のあるストーリー

   短い足でトコトコ走るモルカーはかわいいし世界観もポップな印象ですが、「ながら運転」をして迷惑をかける人間、炎天下の車内に飼い猫を放置する人間など、「モルカーはかわいいのに人間は愚か...」と思わされる風刺的なストーリーが注目されました。

(2)ニヤリとさせられるパロディ要素

   例えば映画の『AKIRA』や『バンブルビー』を思わせるポスターが掲示されていたり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を彷彿とさせるシーンがあったりと、さまざまな過去の名作のパロディネタが随所に散りばめられていました。

(3)考察が捗る内容

   たった3分の映像にたくさんの情報が詰め込まれているので、考察も捗ります。本編だけでなく予告映像でも「次回はどんな展開になるのか」「予告から読み取れる設定は?」などの考察で毎回盛り上がっていました。

   パペットアニメとしてのクオリティの高さも、もちろん「モルカー」の魅力。つまり、細部までじっくり観たり何回もリピートしたりしたくなるほど作り込まれており、発見したことをSNSで共有したくなる作品だったことが大きなポイントです。

話題のアニメ『PUI PUIモルカー』に登場する名作映画のポスターやパロディシーン...今後の展開に期待しかない - Togetter

モルモットへの注目も集まる

   劇中の「プイ!」という鳴き声は本物のモルモットが声優(モル優?)をしていることもあり、番組とともにモルモットの人気まで上昇。表情などの再現度の高さや声のトーンの違いなどを知り、モルモット自体のかわいさにハマる人が続出しました。

<モルカーの「唇」は本当にモルモットを「分かってる人」が作っている最高の唇 - Togetter>

<モルカーの声は実際にモルモットの方が担当してるけど、声のトーンから収録風景が想像できて和む「安心して観れる」 - Togetter>

・モルカー旋風は台湾にも

   台湾にも上陸した「モルカー」は、1週間になんと32回も放送されるなど社会現象的なブームに。こうした海外での評判も、作品の人気をさらに押し上げる要因になったようです。

<『モルカー』がバカウケして週に32回も放送されてる台湾、放送回数もさることながらキャラ名の翻訳が面白すぎる - Togetter>

<台湾の副総統による、台湾産パイナップル消費キャンペーン。しかしそのパイナップル、どこかで見たことあるような? - Togetter>

監督のバックグラウンドも注目される

   モルカーの監督を努めた見里朝希さんは、学生時代に制作したグロテスクな描写を含むパペットアニメ『マイリトルゴート』が国内外で著名な賞を多数獲得。ダークなテイストやメッセージ性は監督の持ち味と言え、「モルカー」にも活かされています。

<PUI PUI モルカーの里見朝希監督の短編『マイリトルゴート』が無料公開 ショッキングなシーンもあるが、大事なメッセージを含んだ作品 - Togetter>

   また、見里監督の大学時代の恩師は、NHKのEテレで放送された『ニャッキ!』の生みの親である伊藤有壱さんということも話題に。かわいらしさとインパクトのある作風が受け継がれている気がしますね。

<『モルカーの監督はニャッキ!の監督の教え子』共通する要素を感じる方や興味を持ち始める方も「懐かしさと嬉しさでいっぱい」 - Togetter>

   このように、『PUI PUI モルカー』はパペットアニメとしての完成度の高さに加え観た人が言及したくなるポイントが多く含まれた作り込みやモルモットへのリスペクト具体、作品を取り巻く状況などの相乗効果で高い人気を獲得しました。

   また、1話3分弱という短さも時代にマッチしていて継続して視聴する人が多く、毎週トレンド入りすることとなったのではないでしょうか。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした!次回もお楽しみに。プイプイ!

(Togetter編集部)

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