東京五輪の閉会式では「東京の昼下がりの公園」を表現したパフォーマンスが披露された。このショーに出演したけん玉師・伊藤佑介さんは2021年8月10日、自身のブログで閉会式の反響を明かした。「チャリこいでようが何してようが全てはけん玉に繋がると私は信じています」伊藤さんは、けん玉ショーやワークショップ、講演会などで活躍するプロの「けん玉師」だ。伊藤さんのブログによれば、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年、収入源であったイベント出演の依頼はほとんどなくなってしまった。都内4か所で約20年続けてきたけん玉教室も、すべて閉じることになった。仕事がほとんどなくなってしまったという伊藤さんは2020年5月、ウーバーイーツの配達員をはじめる。当時のブログでは、「チャリこいでようが何してようが全てはけん玉に繋がると私は信じています」との決意をつづっていた。体重は減少。配達による疲労や筋肉痛を抱えながらも、けん玉の修練を続けていたのだという。そんな伊藤さんに大舞台が訪れた。東京五輪の閉会式だ。スカバンド・東京スカパラダイスオーケストラの演奏をバックに、リフティングや縄跳び、スケートボードなどのパフォーマンスが披露された。この演出の一つに、伊藤さんによるけん玉のパフォーマンスもあった。「庭での練習が以前よりやり易く感じ泣けた」SNS上では、「けん玉の存在感がすごい」「けん玉かっこいいな」などと、伊藤さんのけん玉パフォーマンスに注目する声もいくつかあった。さらに、伊藤さんを知っていたユーザーからは、閉会式への出演を喜ぶ声もあった。「ぼーっとオリンピックの閉会式観てたら伊藤佑介さんがけん玉しててすごい!元気でた」「オリンピックの閉会式にけん玉師の伊藤佑介さんいてテンション爆上がりした!!!!!」伊藤さんは8月10日に投稿した「閉会式後の反響」と題したブログで、たくさんの人々から連絡をもらったと明かす。「この中のいくつかには近所の方の生の声もありました。『伊藤さん、閉会式に出ていましたよね?すごいですね!』ハニカミ笑顔で返してしまったが嬉しかった」けん玉の仕事がなくても、自宅の庭などで練習を続けてきた伊藤さん。練習後はウーバーイーツのバックを持って出かける生活を続けてきた。そんな自身の姿を「近所の方だって気を遣うだろうし、はっきり言えば声すら掛けにくい存在だったと思います」と推察する。伊藤さんは「近所の皆様、いつも温かく見守ってくださり誠にありがとうございます」と近隣住民たちに感謝を述べ、「今日は庭での練習が以前よりやり易く感じ泣けた」と感慨に浸った。
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