2024年 4月 25日 (木)

コロナ禍で始めた「リングフィットRTA」で世界記録 もはやアスリート、大会に挑む男の意気込み

   夏の暑さがまだ厳しいお盆期間、SNS上では「RTA in Japan Summer 2021」というゲーム大会が盛りあがっている。ゲームをどれだけ早くクリアできるかを競う「リアルタイムアタック(RTA)」の大会で、数々の人気ゲームが競技として名を連ねる。

   大会最終日の2021年8月15日、大トリを務めるタイトルは「リングフィット アドベンチャー」。全身の筋トレや有酸素運動などを楽しめると話題のゲームで、本気で取り組めばかなりのトレーニングになる。同作の第1ステージを最短クリアする――まるでスポーツ競技のような挑戦に大きな注目が集まっている。

   挑戦者は、同作のRTA世界記録を保持する「えぬわた」さん。J-CASTニュースは2021年8月12日、えぬわたさんに大会への意気込みを取材した。

  • リングフィットアドベンチャー公式サイトより
    リングフィットアドベンチャー公式サイトより
  • 挑戦者・えぬわたさん
    挑戦者・えぬわたさん
  • リングフィットアドベンチャー公式サイトより
  • 挑戦者・えぬわたさん

「体操競技を10年以上やっていました」

   RTA in Japanは、一般社団法人RTA in Japanが開催する日本最大級のRTAイベントだ。今大会「RTA in Japan Summer 2021」は11日から15日の間、オンラインで開催される。イベントの様子は配信プラットフォームのTwitch及びYouTube上で配信され、発生した収益は国境なき医師団に寄付される。協賛企業・団体には、食品メーカー「日清食品」、アパレルブランド「無敵時間」、YouTube上の音楽配信チャンネル「サクラチルビーツ(Sakura Chill Beats)」が名を連ねる。

   SNS上では初日から大きな賑わいを見せており、連日ツイッターのトレンドに関連ワードが浮上している。

   この大会のフィナーレを飾るゲームが「リングフィットアドベンチャー」。任天堂が19年10月に発売したニンテンドースイッチ用フィットネスゲームで、専門家が監修した60種類以上のトレーニングメニューで全身を鍛えられる。

   挑戦者・えぬわたさんは、同作RTAの世界記録保持者。任天堂はリングフィットアドベンチャーについて、「1日30分で、3か月以上お楽しみいただけるボリューム」だと紹介している。しかしえぬわたさんは、運動負荷を30と最大の難易度に設定し、正しい姿勢で、全ステージを28時間22分12秒でクリアした。ただものではない。

    ――えぬわたさんのスポーツ経験についてお聞かせいただけますか。

えぬわたさん(以下同)「体操競技を10年以上やっていました。その他趣味レベルでフルマラソンに出場経験もあり、コロナ前は2年間くらいジムに通っていました。現在はリングフィットアドベンチャーと自宅で自重トレーニングやウェイトトレーニングをしています」

   「RTA in Japan Summer 2021」では、運動負荷30、正しい姿勢で第1ステージの最速クリアに挑戦するという。

リングフィットアドベンチャーのRTAに挑戦したきっかけ

    ――リングフィットアドベンチャーのRTAに挑戦したきっかけ、動機についてお聞かせいただけますか。

「コロナがきっかけです。元々ジムに通っていたのですが、2020年の3月にコロナの状況に鑑みてジムを解約。リングフィットは発売日に買っていたものの、そのころ(2019年10月)はジムに週6で通っていてあまり遊べていませんでした。
ですのでジムをやめ家でできる運動を探した結果、リングフィットをやりこもうということになりました。
プレイ中にリングフィットのRTAの解説動画を見つけ、『空気砲を連打し続けながらももあげをし続ける』行為が、経験値効率が高いことを知り、通常プレイに取り入れても余裕があったのでRTAを意識するようになりました。
リングフィットアドベンチャーは最後の展開が熱く、最後は時間を忘れて6時間くらい遊び続けてしまい、クリア後も体力に余裕があったので『これはRTAいけるな』と思って本格的に練習を始めました」

   リングフィットアドベンチャーでは、ステージ内を冒険する際にジョギングをする必要がある。それだけでもかなり疲労がたまるものだが、RTA挑戦者たちはさらに難易度の高い走行を行っている。ももあげなどの加点行為をしながら進めることで、効率よく最短クリアを目指すのだ。

    ――8月15日開催予定の「RTA in Japan」に向けてどんな準備を行っていますか。

「本番と同じWorld1の通しの練習を1日に3~5本程度ぶっ通しでやり、2日休み。つまり3日に1回のペースで本番同様の通し練習をしていました。通し練習をしない日はウェイトトレーニング等を1時間くらいと、リングフィットRTAで苦手な部分だけを切り出した練習をしていました。
これだと毎日運動し続けることになるので大体2週間に1回くらい何も運動をしない休みの日を入れています。今はもうトレーニングのペースを落として体の回復に注力しています」

    ――リングフィットアドベンチャーRTAで難所だと感じてる場所、「RTA in Japan」で見どころになりそうな場所はございますか。

「最大の難所はラスボス直前で成功率が数%程度の技に挑むのですが、決めれば最大15秒くらい短縮できるのでそこは見どころになります」

    ――SNS上ではえぬわた様の挑戦に大きな注目が集まっていますが、こうした反響をどのように受け止めておりますか。

「自分としてはいつも通りのことをしているだけなのでとても驚いています。 ただ同時に多くの方々が期待しているのもよく分かったので期待に応えたいと思っています」

リングフィットRTAは「マッチョである必要はない」

    ――「RTA in Japan」に向けた意気込みをお聞かせください。

「まずは見ていただく方が楽しめるようなものを提供したいです。
RTAのイベントは走者だけでなく、実況解説の力も大きく、そのお二人のおかげで面白いものに仕上がると思っていますので、走者である自分はしっかりと好記録を出して盛り上げられればと思っています。
そして最終的にはこれをきっかけにリングフィットアドベンチャーを購入してくださる方や再開する方、追加でトレーニングを始める方が増えればいいなと思っています」

    ――このほか読者の方にお伝えしたいことなどございましたらお聞かせください。

「リングフィットアドベンチャーのRTAと聞くとハードルが高そうに感じますが、負荷1だけで10分以内で終わるカテゴリもありますし、マッチョである必要はなかったりします。今回は一つのカテゴリだけですが、他にも様々なカテゴリが存在しているので興味を持っていただけると嬉しいです」

   えぬわたさんは15日18時半過ぎに挑戦開始を予定している。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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