2023年 1月 29日 (日)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
財務次官の「財政危機」寄稿が「欠陥もの」である理由

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問題は手続き以前に内容

   次に金融工学からも問題がある。直近の日本国債の5年CDSは0.00188%なので、大学院レベルの金融工学知識を使えば、日本の5年以内の破綻確率は1%にも満たないのがわかる。これは、バランスシートからの破綻の考察とも整合的だ。矢野氏が、日本財政が破綻するおそれがあるというのは、降水確率0%の予報のとき、今日は台風が来るので外出は控えろというのと同じくらい、筆者には滑稽だ。

   本件について、マスコミを含めほとんどの人は、内容のおかしさを指摘せずに、手続きばかりをいうが、どうなのか。問題は手続き以前に内容だ。会計学と金融工学の知識があれば、全くの間違いを財務省事務方トップの事務次官が平然といっているほうがはるかに問題だ。逆にいえば、多くの人は会計学と金融工学の知識もなしも、財政問題で意見がいえると思っているのだろうか。

   本件は、そうした基本知識のない人が財務省事務方のトップになっていることを世間に知らしめた。矢野事務次官の寄稿に対する各人の意見は、そのまま会計学と金融工学の基礎知識があるかどうかのリトマス紙になっている。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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