2024年 4月 25日 (木)

Eテレ長寿番組で「最もセンシティブな回」放送 怪人「マスクトルモン」が伝えたかったコト

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「マスクをつけられないのは何らかの事情がある」

   番組公式サイトには、番組制作に携わった東京都立矢口特別支援学校の主任教諭・川上康則氏による解説資料が掲載されている。コロナ禍で「マスクをつけられない」ことを放送テーマにした背景について、次のように語っている。

「規範意識が強い社会の中で、マスクをしていない姿はどうしても目立ちます。『ルールを逸脱している』とか『息苦しくても頑張ってルールを守っている人がいる中で、マスクをつける努力もしないのは、わがままで身勝手だ』などといった厳しい視線を向けられることが増えました」
「苦手なマスクであっても、つけていればそれだけ感染のリスクを低くすることができます。『マスクをつけることで健康を守りたい』という関係者の願いと『マスクをつけるのは本当に苦手』というその子特有の事情の間で、今回の『マスクをつけよう』の企画がスタートしました」

   番組ではマスクの扱い方や登場人物の会話一つにも「慎重に協議を重ねた」、と川上氏は振り返る。

「表現は適切か、『からかい』や差別を助長するような内容になっていないか、過度に心理的負担を押し付ける内容になっていないか、など何度も制作スタッフと番組委員の間で内容を確認してきました。いずれにしても、これまでのストレッチマンシリーズの中では、最もセンシティブな内容に踏み込む回になりました」

   今回の放送では触覚過敏によりマスクをつけられないケースを取り上げた。ただ、呼吸器系の疾病、皮膚疾病、誰かに口と鼻を塞がれたことによるトラウマなど、ほかの理由でマスクをつけられない子供たちもいる、と川上氏は説明。番組が発信するメッセージについて、次のような見解を示した。

「番組でマスクをつけることを取り扱うことが、嘲笑うような雰囲気、からかいや厳しい視線につながることだけは、厳につつしまねばなりません。まずは『マスクをつけられないのは何らかの事情がある』ということへの理解を広げる必要があります」

   放送はNHK・Eテレの番組公式サイトで視聴できる。

(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)

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