2024年 4月 24日 (水)

「私も寝不足」知事ツイートで火に油? 神奈川メール誤送信問題、県庁にもクレーム殺到

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   トンガ沖の火山噴火による津波注意報を神奈川県が多数誤送信した問題で、黒岩祐治同県知事がツイッターで謝罪した際に「私自身も寝不足」だと訴えたことに対し、ネット上で疑問が相次いでいる。

   「また来たんだけど!もう~」「10分おきにピンピロリンって鳴ったから眠い...」「煩いから通知OFFにした」。2022年1月16日未明から朝にかけ、津波注意報のエリアメールが相次いで送信され、ツイッター上などでは、こんな不満が噴出した。

  • 黒岩祐治神奈川県知事(写真:UPI/アフロ)
    黒岩祐治神奈川県知事(写真:UPI/アフロ)
  • 誤送信されたエリアメール
    誤送信されたエリアメール
  • 黒岩祐治神奈川県知事(写真:UPI/アフロ)
  • 誤送信されたエリアメール

寝不足が影響?「改修作業」を「回収作業」と間違える

   16日は、大学入学共通テストの2日目だっただけに、「受験生可哀想すぎる」との声も出た。新型コロナウイルスのオミクロン株感染が急拡大し、1日目には東大前で刺傷事件が起きるなどしただけに、「今年の受験生まじで災難だ」との同情も広がっている。

   NTTドコモによるエリアメール配信履歴によると、神奈川県内では、計626件にも上り、横浜・川崎・横須賀の3市では、同日0時16分から7時31分まで20件にも達していた。つまり、通知音がそれだけ夜通し鳴り続けていたわけだ。

   県の発表によると、誤送信の原因は、災害情報管理システムを委託した業者によるプログラムの設定ミスだった。神奈川以外の津波情報が気象庁で更新されるごとにエリアメールを配信していたといい、業者に指示してプログラムを改修したとしている。

   黒岩知事も同日昼過ぎ、ツイッターを更新し、「多くの県民の皆さんが眠れない夜を過ごされたと思います。また、受験生の皆さんにはたいへんなご迷惑をおかけしました」と謝罪した。業者のミスだったとしたうえで、「もちろん県の責任です。業者に責任を押し付ける気はありません。ですから、私が謝罪しています」と釈明した。

   そして、最後に「私自身も寝不足です」と付け加えた。それが影響したのか、「改修作業」を「回収作業」と間違え、すぐに訂正を出したほどだ。

   この締め括り方は、7000件以上もリツイートされるほどの話題になり、ツイッター上などでは異論が次々に寄せられている。

「何で最後の余計な一言つけるかね」「逆ギレにしか見えん」

   「何で最後の余計な一言つけるかね」「逆ギレにしか見えん」「本当に反省してんのかよ」といった疑問や批判だ。

   雪印乳業で食中毒問題が起こった2000年7月、当時の社長が会見の延長を求めるマスコミに「私は寝てないんだ」と言って物議を醸したことから、「雪印を思い出した」といった声も漏れた。

   黒岩知事は、東京都内に自宅があり、なぜエリアメールの誤送信で寝不足になるのか突っ込む向きもあった。

   神奈川県の企画調整担当課長は1月17日、J-CASTニュースの取材に対し、寝不足になった背景についてこう説明した。

「災害などの緊急時に備え、県内にも知事の滞在場所が用意されています。知事は、メールが来て寝不足になったと話していますから、15、16日の土日にかけて県内におられたのではと思います」

   実際、黒岩知事は、16日午前7時30分から放送されたフジテレビ系番組「日曜報道 THE PRIME」に、横浜市内の神奈川県庁から中継で出演している。番組では、コロナのまん延防止重点措置への意欲のほか津波注意報への対応にも触れていた。

   ただ、エリアメールの誤送信については、テレビ出演後に黒岩知事に県が報告したという。そのときに、発表などへの指示が初めてあったというが、「報告の遅れについては指摘されていません」としている。

   誤送信への対応については、担当課長は、こう説明した。

神奈川県「共通テストに支障があったとは聞いていない」

「16日は、午前4時からプログラムの改修作業に入っています。20回目が送信された7時31分までには作業が終わっています。テストをしながら作業を進めないといけませんので、時間がかかってしまいました」

   黒岩知事に誤送信を伝えたときは、事後報告だったわけだ。

   実は、2012年3月27日夜に岩手県沖地震があったときも、エリアメールを誤送信しており、このときの業者と同じだという。その後、別のシステムに運用が変わっているが、このときの教訓が生かされなかったことは認めた。

   誤送信につながったプログラムの設定ミスについては、こう説明した。

「気象庁から津波警報が出て注意報に切り替わったときは、気象庁ではなく県がエリアメールを配信する設定になっています。最初から注意報が出たときは、配信しない設定になっており、それが配信されたのがそもそものミスでした。気象庁の情報が更新されたときは、配信しない設定になっていませんでしたので、配信が続いてしまいました」

   県内で誤送信が626件に上ったのは、基地局ごとにカウントされたためではないかという。横浜・川崎・横須賀の3市が多かったのは、津波が相模湾に到達した後も東京湾には到達していない予想だったからだと説明した。

   県民からは、「通知が頻繁すぎる」「眠れない」「うるさい」といったクレームが来ているとした。16日は、日曜日で電話がつながりにくかったため、30件超に留まったが、17日の月曜日は、朝からクレームが相次いでいるという。ただ、「共通テストに支障があったとは聞いていない」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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