任天堂がNintendoSwitch用ゲーム「星のカービィ ディスカバリー」の発売に合わせて2022年3月24日、開発時のエピソードを公式サイトで明かした。開発者らが主人公を愛するあまり「苦しめてしまう場面づくりに抵抗があった」などとする苦労話を受けて、ネット上では「開発チーム可愛すぎ」といった反応が広がっている。「なぜ密度が上がらないのだろう?」今年で30周年を迎える人気シリーズの主人公・カービィはピンク色の丸い体に短い手足、そして吸い込んだ物の特徴を取り込む「コピー能力」を持つキャラクターだ。25日に発売した今作は初の3Dアクションゲームとなる。任天堂は24日、インタビュー記事「開発者に訊きました」の第4弾として同作を取り上げた。作品のアソシエイトプロデューサーを務める任天堂社員と、シリーズを手がけるソフトメーカー「ハル研究所」(以下、ハル研)の社員3人が開発の裏話を明かしている。3Dアクション化にあたっての課題は多く、試行錯誤を重ねたという。具体的な課題の一つとしては2Dと比べて空間に奥行きがある分、難易度を調整するためカービィを囲うように敵を配置する必要があったとする。しかし、試作のフィードバックを行った際の出来事を、「敵の配置の調整を何度依頼しても、毎度毎度フィールドが隙間だらけで...」と任天堂の社員は振り返る。「なぜ密度が上がらないのだろう?」と疑問を抱き、ハル研に尋ねると、「そんなに敵に囲まれたらカービィがかわいそうじゃないですか」といった反応が返ってきたという。好きなあまり「苦しめてしまう場面」に抵抗感エピソードを受けてハル研の社員は、「これは冗談でもなんでもなく、本当に開発しているスタッフはみんなカービィが好きで、カービィを苦しめてしまう場面づくりに抵抗があったんですね」とする。さらに、3Dアクションが苦手なユーザーを意識したフィールド作りによって「倒すべき敵を置いても置いてもうまく隙間が埋められなかった」とも補足した。敵の配置に関しては他の社員も、「攻撃能力を持っていない時にカービィが囲まれてしまうと、かわいそうなくらいダメージを受けてしまうのが気になってしまって...。そういう部分の調整はかなり難航しました」と苦労を伝えている。任天堂の社員は、当初のゲーム性が足りなかった原因について「まさか『かわいそう』という感情にあったとは思いもよりませんでした」と驚きを表した。ハル研の感性を尊重する姿勢を見せつつ、任天堂が想定するユーザー視点とのギャップをすり合わせていったとする。この話は同日、あるユーザーが紹介したことでツイッターでも拡散されることとなった。投稿は8600件以上のリツイートや2万超の「いいね」を集め、「開発チーム可愛すぎかよ」「微笑ましくていいね」「やさしいせかい」などの反応が寄せられている。
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