小さな老舗肉屋の店頭に、開店祝いを思わせる巨大なスタンドフラワーが飾られた。花飾りに設けられた立札や垂れ幕には、「母の日」のプレゼントである旨が記されていた。このスタンドフラワーを写した画像がSNSで拡散され、「盛大な母の日」「すごい愛」などと話題になっている。J-CASTニュースは2022年5月9日、話題の親子を取材した。1階天井を超えるスタンドフラワーを当日に用意「母の日」を祝うスタンドフラワーが贈られたのは、宮城県加美郡の老舗精肉店「関精肉畜産」。1968年に開店した、家族経営の肉屋だ。同店で働く関裕人さん(42)は、8日の「母の日」の週末にあわせて巨大なスタンドフラワーを用意した。店の1階の天井を超える巨大なスタンドフラワーで、赤い造花が円状に飾られている。花飾りの中央に添えられた札には「祝母の日」と記されている。取材に対し裕人さんは、7日に思い付きで注文したと話す。「毎年、母の日にはちょっとした『おふざけ』を行っていました。今回は何にしようかと考える中で『花輪がいいかも』と思いつき、近くの花屋さんにお願いしました。オーダーしたのは当日です。これが田舎の良いところですね、知っているところにお願いしたら取り組んでくれました」スタンドフラワーは、母の栄子さん(66)に贈られた。裕人さんによれば、栄子さんはあまり驚いた様子ではなかったという。毎年のことなので半ば呆れ気味だったそうだ。栄子さんは取材に対し、自ら「親の顔が見てみたい」などと笑いながらこう話す。「発想が豊かすぎる息子なので、前は着払いでカーネーションを送ってきたりしていたんですよ。スタンドフラワーが届いたときは驚きというよりも、『今年はこれで来たか』という気持ちでしたね」「BBAって横文字かっこいいね」スタンドフラワーは客からも好評で撮影していく人も多かったという。栄子さんと写真撮影を希望する客もいたとのことだ。ツイッターでは、関さん一家の知人が店頭のスタンドフラワーを紹介している。この投稿は9日17時点で、2万4000件を超えるリツイート、17万9000件を超える「いいね」が寄せられた。こうした反響を、栄子さんは嬉しそうに受け止めている。「来てくれるお客さんからも『幸せだねぇ』とも声をかけられまして、びっくりしましたね。今の世の中明るいことがないので、こういう赤い花輪は嬉しいですね。昔は開店祝いなどで見られましたが、最近はそういうものがほとんど見られないので、懐かしんでくれるお客さんもいらっしゃいました」またスタンドフラワーには「祝BBA(ばばあ)へ ムスコより」という垂れ幕が設けられていた。このコメントについては、どう受け止めているのか。栄子さんはこう話す。「横文字でかっこいいですよね。『ばばあ』って言われるよりもビービーエーって言われたほうが気分いいかも・・・(笑)」親子仲は良好で、店に訪れる客も「親子漫才」を楽しんでいくのだそうだ。スタンドフラワーは8日に返却したものの9日、店頭には栄子さんによる裕人さんへの感謝コメントが掲示されている。「母の日ありがとう!!息子に感謝でもでも・・・・・・<親の顔みてみたい!!>残るものもいいよね。BBA元気です」(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)
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