実業家の堀江貴文氏が2022年6月20日に公開したYouTube動画で、那須川天心-武尊戦が行われた19日の格闘技イベント「THEMATCH2022」(東京ドーム)を、インターネットテレビ「ABEMA」が独占で生配信したことに私見を述べた。「地上波のテレビ局がコンテンツを買い負ける時代になった」などと分析している。「生中継は地上波では行われなかった」那須川さんが5-0で判定勝ちを収めた試合の様子は「ABEMAPPVONLINELIVE(アベマペイパービューオンラインライブ)」で生中継された。一般チケットは税込5500円。堀江氏は「那須川天心vs武尊の一戦で明らかになったテレビ局の限界について解説します」という題のYouTube動画で、「凄くこれ、象徴的なお話じゃないのかなというふうに思っていて」と切り出した。試合をめぐるテレビ局の動きに関して、フジテレビが中継を見送り波紋を呼んだとする。のちにTOKYOMXが放送決定したが「生中継は地上波では行われなかった」。その背景を、「要は、50万のPPVを売ってしまうような大興行なわけです。だからもうABEMATV独占で、生配信はそれしかやらないって決めたらですね、ABEMATVもめちゃくちゃ放映権料を出せるわけです」と分析し、「テレビでタダで誰でも見れちゃうって話になるとPPV売れませんから」とする。またPPVの売り上げだけでなく、視聴者がアプリをインストールすることでABEMAは「ライフタイムバリュー(LTV、顧客生涯価値)を稼げる」と指摘。「アプリのこれからの月額課金、サブスクリプションのユーザー確保にも役立つ」と補足した。11月に開催される「FIFAワールドカップカタール2022」の全試合をABEMAが無料生中継することにも触れ、「それもLTVを考えた経営でないと(成り立たない)」とする。堀江氏は「テレビ局、特に地上波は放送した日のスポンサーからの収入以外ない」という一方、「(ABEMAは)50万人の熱烈な客に20億円分売り上げがあがるようなビジネスモデル」と比較した。興行については、ABEMAを運営するサイバーエージェントの執行役員・藤井琢倫氏が20日の一夜明け会見で、PPVの売り上げは50万件以上にのぼると報告している。またK−1創始者で正道会館館長の石井和義氏も、「チケット売り上げ20億、ペイパービュー50万件25億 スポンサー5億、計50億」と試合後にツイートした。「テレビ局がコンテンツを買い負ける時代」堀江氏は地上波のテレビ局のビジネスモデルに関して「それじゃあ採算乗らないわけですという時代になった」といい、「地上波のテレビ局がコンテンツを買い負ける時代になったっていうことが、今回のTHEMATCHで分かったんじゃないかなと思います」と述べ、「この傾向は今後も続くと思います」と結んだ。なお、19日にも堀江氏はツイッターで「フジテレビはもったいないことをした」といった声を受けて、「というよりCM収益だけに頼ってるから勿体ないというより放映権予算取れなくて買えないんだよ。。」と伝えていた。続く投稿では「他局も同じビジネスモデルだから買えませんよ。PPVしかないと思う」ともいう。
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