2024年 4月 26日 (金)

秋田では有名人、話題のソーセージ職人タベルスキさん 秋田弁ペラペラでダジャレ好き...異国で奮闘するポーランド人の素顔

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   秋田県の地産ソーセージが、パッケージで思わず購入してしまうほど面白いとツイッターで話題になっている。

   注目を集めたのは、ソーセージブランド「POLMEAT」から販売されているチーズ入りソーセージ「ハイチーズ」。パッケージには、「うマイケル」とガッツポーズで商品を勧める外国人が掲載されている。販売するIMI(秋田県大仙市)のタベルスキ・マイケル代表取締役だ。

   「秋田在住 食べるの大好き タベルスキ・マイケル」と紹介される社長は、約20年前にポーランドから来日した。なぜ秋田で食肉加工品を製造するようになったのか、ダジャレまみれの商品を販売しているのか。J-CASTニュースは2022年7月25日、本人に取材した。

  • IMI代表取締役のタベルスキ・マイケルさん
    IMI代表取締役のタベルスキ・マイケルさん
  • ツイッターで注目を集めた「ハイチーズ」
    ツイッターで注目を集めた「ハイチーズ」
  • 秋田愛溢れる商品
    秋田愛溢れる商品
  • マイケルさんはダジャレが大好き
    マイケルさんはダジャレが大好き
  • マイケルさんはダジャレが大好き
    マイケルさんはダジャレが大好き
  • マイケルさんが好きな秋田の風家
    マイケルさんが好きな秋田の風家
  • IMI代表取締役のタベルスキ・マイケルさん
  • ツイッターで注目を集めた「ハイチーズ」
  • 秋田愛溢れる商品
  • マイケルさんはダジャレが大好き
  • マイケルさんはダジャレが大好き
  • マイケルさんが好きな秋田の風家

「日本で食品を作るためにこの名前で生まれたんだと思います」

   日本人女性との結婚を機に、妻の故郷である秋田県大仙市に移住したマイケルさん。自らを「秋田県人」だと称し、流ちょうな日本語でこう話す。

「ポーランドには肉の加工食品がいっぱいあり、美味しくて毎日しこたま食べていました。しかし20年くらい前の日本は、肉の加工食品の種類が少なく、ソーセージはゴムみたいな味がして物足りなく感じていました。たまに美味しいものが食べたくて、良いものを購入するとぼったくりみたいな価格で。これはおかしいと感じました」

   マイケルさんは「秋田県から、毎日食べられる値段で高品質な美味しいソーセージを届ける『ソーセージ革命』を起こす」と意気込み、国内メーカーなど2社を経験した後、2010年にIMIを設立。ソーセージ職人の大叔父から製造技術を受け継ぎ、本場の味を再現した。

   「POLMEAT」は現在、秋田県内のほとんどのスーパーで取り扱われているほか、通販サイト「アマゾン」で購入できる。

「営業に行くと名前のことで『ふざけているのか』と言われることもありましたが、『タベルスキ』は本名です。一度会ったら一生忘れられない名前なので、ありがたいですね。 IMI設立前は別業界にいましたが、神に導かれたような気がします。日本で食品を作るためにこの名前で生まれたんだと思います。酒だったら『ノムスキ』だったんでしょうけども」

   マイケルさんによれば、ポーランドでも「タベルスキ」は珍しい名字だという。東のベラルーシから移住してきた一族がルーツで、200人ほどしかいないという。

秋田弁で生活するマイケルさん

   ツイッターでは、チーズ入りソーセージ「ハイチーズ」に大きな注目が集まっている。あるユーザーが7月22日、パッケージを見て「ジャケ買いした」と紹介したことで「笑った」「コレは買っちゃう」などと話題になった。中には「秋田で知らない人は居ない」「まじで美味しいからオススメ」とする声も寄せられている。投稿には25日時点で約4万3000件のリツイート、約19万件の「いいね」の反響があった。

   ツイッターで話題になったことで問い合わせが増え、IMIは嬉しい悲鳴を上げているという。マイケルさんは、ハイチーズ命名の由来をこう述べる。

「ハイチーズは写真を撮るとき笑顔になる掛け声です。スマイルソーセージを食べる時に、たっぷりのチーズで思わず笑顔になってしまうようなストーリーを思い描いています」

   POLMEATは「ハイチーズ」「やっぱこれだべ!~コン!」など、ダジャレや秋田弁混じりの商品を多く展開している。購入時に客が笑顔になってほしいという思いから、こうしたユニークな命名をしている。マイケルさんは、ダジャレの魅力をこう語る。

「日本のギャグは海外のものと違うと思います。海外では風刺、アイロニー(皮肉)が多いです。私の日本語がまだまだだからかもしれませんが、日本はそういったものより言葉遊びがいっぱいありました。オヤジギャグを話すとみんな笑うし、使いやすいです」

   「やっぱこれだべ!~コン!」は、秋田弁の語尾「だべ」と掛け合わせている。マイケルさんは標準語よりも秋田弁を用いて生活しており、秋田県の温かい文化や言葉を大事にしたいという思いから、こうした命名をしたと話す。マイケルさんは秋田の何に惹かれたのか。

秋田に感じた3つの魅力

   実は、来日のきっかけとなった女性とは2年前から別居しているという。マイケルさんがこの地でソーセージ作りを続けているのは、秋田に次の3つの魅力があるからだと話す。

    1つ目は「田舎らしさ」。都会と比べてゆったりとした時間が流れていて、実家のような居心地の良さがあるという。20年前に移住してきたマイケルさんは、今やほとんどの近隣住民に顔が知られており、温かく迎え入れられているそうだ。

「大都会では、生活が時間や電車に縛られ時計みたいな生き方になってしまいますが、田舎は非常に自由です。
また秋田の人はどこでも仲良しです。県外から来た日本人みたいな気持ちで、鏡を見た時に思わず『そういえば日本人じゃなかった』と思いました」

   2つ目は手厚い行政のサポート。都会と比べて企業の数が少ないためか、事業を立ち上げる際には親身にサポートしてもらったと振り返る。マイケルさんは「難しいことがあってもダメとも言われずに相談できる、どうしたらできるかと話してくれるのがありがたかったです」と話した。

   3つ目は、夕方の田んぼの風景。歌手・吉川晃司さんの「終わらないSun Set」を想起しながら楽しんでいる。

「太陽がおりてきて赤くなる前の、田んぼの緑とサンセットの色に感動します。いつもとは違う生き生きとした緑色がキレイで、『明日も頑張ろうか』という気持ちになります。他の地方の田んぼ見たけれども、こんな色にはならなかった。
家が田んぼのど真ん中にあり毎日見ていますが、緑がジューシーで濃い。エネルギーをもらえます」

   マイケルさんは今後も、大好きな秋田とポーランドを繋ぐ食品メーカーとして、オヤジギャグを用いた親しみやすい商品を製造し続けると意気込んだ。

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