2024年 4月 25日 (木)

障害者になってから「お金の心配しかなかった」 手足3本失った僕、社会復帰まで2年間の金銭事情

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就職のため1人暮らし、50万円貸してくれた兄

   1年間の職業訓練中に就職活動をし、企業から内定をもらいました。卒業1か月前くらいに1人暮らしをするためのアパートを探したのですが、その時に直面したのが、初期費用として必要なお金がないということでした。事故から約2年間働いておらず、職業訓練の給付金はもらえていたけど、自力で1人暮らしを始められるほどの貯金はありませんでした。

   僕が住むことを決めたのは敷金・礼金ともに家賃1か月分ずつの物件でしたが、家の中で車いすを使う関係で敷金は多めの3か月分払うことになりました。他の費用を含めて初期費用は40万円くらいかかりました。

   困っていた時、兄に相談しました。そうしたら50万円貸してくれたんです。「返せるようになったら、いつか返しに来い」と。本当にありがたかったし、カッコいいと思いました。働くようになってから兄には少しずつお金を返し、今では完済しています。

   一方、ゼロから生活を始めるために、家具や家電も揃えないといけませんでした。その時に助けてくれたのは、多くの友達です。使わなくなった洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器など、必要な物は大体譲ってもらいました。自分で買ったのはベッドとテレビ。それ以外はほぼ、もらい物で生活を始めることができました。

   幸いなことに、引っ越し代も当時の就職先の会社が負担してくれました。30万円くらいかかったと思います。それも本当にありがたかったです。

   車いすは、国や自治体からお金が出る補装具費支給制度を活用し、自己負担は数万円程度で済みました。現在、車いすは6年くらいで交換するのが通常ですが、僕は自宅内でしか使わないし、体型の大きな変化もないので、22歳の時に買ったものを31歳の今も使っています。

   外出時に使う義足と義手も、同様の制度で買っています。自己負担は4万円強くらいでした。最初の義足と義手の費用は両親にお願いして出してもらい、就職して1人暮らしを始めてからは、交換の必要などが生じたら自分で払っています。

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