今オフのFA市場で去就が注目されている大物選手が、日本ハム・近藤健介だ。
「人格者であることも大きな魅力です」
「広角に打ち分ける打撃技術は球界屈指です。スランプが短く、コンスタントに安打を打ち続けるので首脳陣が計算できる貴重な選手です。近藤はパフォーマンスの高さだけでなく、人格者であることも大きな魅力です。実績を残すとどうしてもエゴが出てきてきますが、そういった部分が全くない。日本ハムでも若手たちに自分から積極的に話しかけ、時には鼓舞するなど良きお手本としてチームを引っ張っていた。
他球団の編成担当はチームに与える好影響も高く評価しています。FA権を取得した選手の中で行使すれば一番人気で、複数球団による争奪戦になることは間違いないでしょう」(スポーツ紙デスク)
プロ11年間で通算打率.307をマーク。高度な打撃技術だけでなく、選球眼にも優れている。19、20年には最高出塁率のタイトルを獲得。今季は右脇腹肉離れで5月上旬から約1か月半戦線離脱した影響で規定打席に到達できなかったが、99試合出場で打率.302、8本塁打、41打点をマークした。
新庄監督も残留にラブコール
日本ハムは来年に新球場「エスコンフィールド北海道」を本拠地に移す。最下位からの巻き返しへ、新たな舞台でスタートを切る中、近藤は替えが利かない存在だ。
新庄剛志監督はドラフト会議を終えた後に自身のインスタグラムを更新し、「次はエスコンフィールドで近藤君と一緒に野球が出来る様に全力で願い続けます」と残留を熱望した。
野球人生の分岐点で、他球団の評価を聞きたい思いは当然あるだろう。FA権を行使した時に向けて、ロッテ、ソフトバンク、オリックスが調査していることが報じられている。近藤は日本ハムに残留するか、それとも――。
悩んだ末にどのような決断を下すか注目される。(中町顕吾)