2024年 5月 6日 (月)

井上尚弥「4団体王座統一&転級」でバンタム級戦線は? 識者が後継者に期待する2人の日本人

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   プロボクシングの世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)が2022年12月13日に有明アリーナでWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)を迎えて世界バンタム級4団体統一戦に臨む。

   日本人選手初となる世界4団体統一王者を目指す井上。悲願を達成した暁にはスーパーバンタム級に階級を上げる可能性が高く、井上が王座を返上した場合、世界4団体の王座が空位となる。強豪がひしめくバンタム級で王座を獲得するのはどの選手か。J-CASTニュース編集部は、協栄ジム元会長の金平桂一郎氏(56)に展望を占ってもらった。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「ドネアはパンチに対する反応が遅くなっている」

   現在、バンタム級の世界タイトル戦に出場する可能性が高いとされるのが、ジェイソン・モロニー(オーストラリア、31)、ノニト・ドネア(フィリピン、39)、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ、30)だ。この3人はいずれも過去に井上と世界タイトルを争い敗れている。

   井上がタイトルを保持する世界王座承認団体WBCは11月9日に公式サイトを更新し、全18階級の指名試合を発表した。注目のバンタム級は井上がバトラーに勝利した後に階級を上げた場合、モロニーとドネアが王座決定戦を行うことを公示。ドネアは9日にツイッターを更新し、WBCに対して感謝の意を表しており対戦に前向きな姿勢をみせた。

   一方のロドリゲスは22年10月にWBA、IBF世界バンタム級挑戦者決定戦で強豪ゲーリー・アントニオ・ラッセル(米国、29)を10回負傷判定で破り、井上への挑戦権を獲得。井上が王座を返上した場合、WBA、IBFいずれかの団体で王座決定戦出場が見込まれる。

   モロニー、ドネア、ロドリゲスの世界的評価は高く、米国の権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」が設定するバンタム級ランキングでは王者・井上に次ぐ1位がロドリゲス、2位にモロニーが付け、ドネアが3位に続く。現役の王者であるバトラーは6位にランクされている。

   実力者が揃うバンタム級で次期王者となるのは誰なのか。金平氏は挑戦者決定戦を制した元世界王者ロドリゲスの王座返り咲きは十分にあるとし、条件付きで公示されたWBCの王座決定戦に言及した。

「個人的には非常に面白い試合になると思いますが、ドネア選手が井上戦(22年6月)で受けたダメージがどれほど抜けているか。この間の井上選手との試合を見る限りスピードが落ちているように感じました。パンチに対する反応も遅くなっている。相手が井上選手だからそう見えたのかもしれまんが。モロニー選手は攻撃力、スピードがあり体力面など総合的にみてやや有利ではないかと思います」

「武居は少しキャリアを積んでいけば十分に世界に通用する」

   モロニーは2度の世界タイトル挑戦の経験がありいずれも敗れている。18年10月の世界初挑戦ではIBF世界バンタム級王者ロドリゲスに判定負け。20年10月の2度目の挑戦では井上に7回KO負けを喫した。プロキャリアでの敗戦は世界戦での2敗のみで、通算25勝(19KO)2敗と高いKO率を誇る。

   井上が転級した場合、バンタム級の世界地図が大きく変わると予想される中、金平氏は将来的に井上の後継者として期待する日本人2選手の名を挙げた。

   1人目は井上と同じ大橋ジムに所属する武居由樹(26)だ。武居はK-1からボクシングに転向し、21年3月のプロデビュー以来5連続KOをマーク。今年8月には東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得し、スーパーバンタム級で世界ランクに入った。同門の井上が転級した際には階級をバンタム級に下げるプランもある。

   金平氏は「もう少しキャリアがほしい。どうしても費やしたラウンドが少ないので」と指摘し、「K-1からの転向組で期待も高い。おそらくジムでは井上選手に続くくらいの良い練習をしているのでしょうから、大橋会長は『ポスト井上』として期待していると思います。実績のある選手と内容のある試合をして少しキャリアを積んでいけば十分に世界に通用すると思います」と語った。

   そして2人目に挙げたのが元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(M.T、24)だ。中谷は20年11月に世界王座を獲得。王座を2度防衛後に返上し1階級上のスーパーフライ級に転級した。軽量級としては長身の172センチでサウスポースタイルから繰り出す左ストレートは破壊力抜群。プロ戦績は24勝全勝(18KO)。

「まだまだ先の話になるが、中谷選手がゆくゆくはバンタム級に上げる可能性はあると思います。中谷選手は体格的にもバンタム級でいけるでしょう。中谷選手はサウスポーでパンチを当てるのが非常にうまく目も良い。離れても接近しても澱みないコンビネーションを打つ。スタミナもあって懐が深くて相手にとってはやりにくい選手。中谷選手には期待していますが、超えなくてはならない壁は対戦の可能性がある井岡選手。井岡選手はボクシングが上手くて強い。この壁は相当高いと思っています」

   WBOは12月31日に行われるWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成、33)対WBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国、27)の勝者に対して試合後180日以内に中谷と指名試合を行うことを義務付けた。これにより中谷が世界2階級制覇をかけて王者・井岡に挑戦する可能性が出てきた。

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