2024年 5月 21日 (火)

井上尚弥と対戦のフルトン、試合延期の影響は? 本人「恩恵」主張も...識者「本当の戦いは来日してから」

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   プロボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)が2023年7月5日にインスタグラムを更新し、7月25日(東京・有明アリーナ)に控える井上尚弥戦に向けて「日本行きの準備はできている」とのコメントを投稿し、順調に仕上がっていることを報告した。

  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井上尚弥選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

6月中旬に拳痛め試合を延期

   フルトンは7月1日に公開された米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(WEB版)のインタビュー記事の中で、試合が延期されたことで「恩恵」を受けたと明言。当初5月7日の日本開催を予定していたが、井上がスパーリング中に拳を痛めたため7月25日に延期になった。

   同メディアによると、フルトンは「(延期になったことで)実際より多くの時間ができたし、より集中し、対戦相手のことを考え、自分が下す決断や調整について考えることができた」とし、キャンプ中により多くのスパーリングパートナーと練習することができたことを明かした。

   当初より多くの準備期間を得て「打倒モンスター」に自信を見せるフルトン。ボクシングの専門家は試合延期が両者に与える影響をどのようにみているのか。J-CASTニュースは、数多くの世界王者を育てマッチメイカーとして多くの世界戦を手掛けたTMKジムの金平桂一郎会長(57)に話を聞いた。

   フルトン戦延期が発表されたのは6月22日。所属ジムの大橋秀行会長(58)が横浜市内で行った会見で明かした。スポーツ紙などの報道によると、井上は6月中旬に行ったスパーリングで拳を痛めた。骨に異常はなく腱に炎症がみられため、大橋会長が大事を取って延期を決断したという。

「延期は双方にとってメリットがある」

   金平会長は試合が延期になったことは「決してフルトン選手だけではなく双方にとってメリットがある」とし、次のように説明した。

「フルトン選手がインタビューで答えた通り研究する時間が増えスパーリングをより多くできたというのは本音だと思います。より腰を据えて研究ができたのでしょう。ただ井上選手にとってもメリットが多く、フルトン選手同様に研究する時間が増えたえしょうし、負傷した拳を治す時間や1階級上に適した体作りができたと思います」

   金平会長は自身の海外での経験から来日してからのコンディション作りが重要だと指摘した。フルトンは今回初来日で、厳しい減量を強いられることが予想される。金平会長は「フルトン選手は今の段階ではベストコンディションだと思います。ただ、これもボクシングの難しいところで、最終調整に入っていく段階ですんなりいくというほどボクシングは単純ではない。これからひと山ふた山あるかもしれません」と語った。

   金平会長によると、13年5月にWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(協栄)を率いて敵地タイに乗り込んだ際、コンディショニングに苦労したという。当時、佐藤は減量が苦しくタイ入りしてからも厳しい減量を強いられた。日本との気候の違いもあって体重が思ったように落ちず調整がうまくいかなかったという。

   金平会長は「フルトン選手は減量が苦しいことからフェザー級に上げるのではないかと言われていました。減量が苦しい選手は、自国を離れいつもと勝手が違うと調整が難しい。調子が良いまま入国しても最後の1週間でコンディションが崩れてしまう。気候などが違うので感覚が違ってくる。フルトン選手にとって日本は初めてとなる。本当の戦いは来日してからだと思います」との見解を示した。

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