2024年 5月 3日 (金)

立憲・小沢一郎氏が賛成した「野党予備選」に党内から異論 「その現実性は私から見たら皆無です」

   次期衆院選に向けた野党間の候補者調整のあり方が議論になるなか、立憲民主党の小沢一郎衆院議員の主張に党内から異論が出ている。小沢氏は2023年7月15日配信の「NewsBAR橋下」(ABEMA)で、司会の橋下徹氏が持論としている野党間の予備選挙について、「大賛成」で「一番公明正大」だと述べた。

   ただ、予備選が技術的に可能かは未知数。さらに、野党候補者を一本化するには日本維新の会も参加することが前提で、「野党の範囲」をめぐる反発も出ている。

  • 立憲民主党の小沢一郎衆院議員(2019年撮影)
    立憲民主党の小沢一郎衆院議員(2019年撮影)
  • 立憲民主党の小沢一郎衆院議員(2019年撮影)

話し合いによる候補者調整は「何か裏取引したみたいで、絶対いけない」

   小沢氏らは「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」を結成して6月16日に記者会見を開き、他の野党との候補者調整の必要性を訴えた。こういった経緯もあり、番組では、橋下氏が候補者調整のあり方について

「立憲と維新は絶対、僕はひとつにはならないと思う。話し合いで何か物事を、協力体制を...候補者を一本化していくというのは...。国会議員どうしの話し合いは、維新は絶対やらないと思うし、国民も、話し合いで決められると、また『何をやってるんだ』ということになると思う」

と水を向けた。これに対して、小沢氏は

「何か裏取引したみたいで、絶対いけない。だから(橋下)先生も主張したように、僕も大賛成だが、何人か候補者立てたら、各党、予備選挙をやって強いやつを候補者にする。お互いの政党はそれを了解した上でちゃんとやる。それが一番公明正大ですよ」
「維新も野党第1党なんて言わずに、全選挙区立てて、あるいは我々も全選挙区立てて、他の政党も立てるだけ立てて、そして何人か重複したところは、予備選挙をやる」

などと応じた。

   立憲と維新が対立する中でも、無党派層の支持を得る上では予備選が有効だとみているようだ。

「仮に維新の人が(予備選を勝ち抜いて)候補者になったとしても、(立憲)民主党の人は面白くないから応援しない。仮にそうなったって、国民一般の世論は統一候補に行きますよ、絶対」
「予備選挙というのは、僕は一般投票でもいいと思うんですよ。党員とかサポーターをイメージしちゃうでしょ?すぐ。一般投票でもいいんじゃないかと思うんですよ、普通の選挙みたいに」

   小沢氏は番組配信後、橋下氏とのツーショット写真つきで

「現在の政治の停滞を打破するためには、野党各候補の予備選により統一候補を決めて自公と闘うしかない、それでないと政権交代できないという考えを共有させていただきました。この国の沈没を止めるべく、全力で闘って参ります」

とツイートした。

米山議員「誰が投票権を持つかを決められず、技術的にほぼ不可能」

   このツイートを引用リツイートする形で、党内から異論が相次いでいる。米山隆一衆院議員は、野党予備選について

「理念以前の問題として、誰が投票権を持つかを決められず、技術的にほぼ不可能です」

と指摘。

   その理由を

「仮に選挙区の全員が投票権を持つなら、それは自民党支持者の意向で野党候補が決まるという倒錯した状態になります。野党各党員が選挙権を持つなら、党員数の多い古い政党に決まりますが、選挙では恐らく勝てないでしょう。人の耳目を引く案として、如何にも橋下氏が打ち出しがちなものですが、その現実性は、私から見たら皆無です」

と説明した。

   現役議員以外にも、次期衆院選で立憲が公認することにしている「総支部長」からも異論は出ている。愛知10区の藤原規眞(のりまさ)氏は、

「小沢一郎衆議院議員並びに『野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会』が言う『野党』の範囲がわかった。そして、この先輩方とは志を同じくできないこともわかった」

とツイート。藤原氏は6月7日に「維新は、野党に非ず」と書き込んでおり、「野党」に維新を含める事に反発した形だ。

   北海道7区の篠田奈保子氏は、「私は、賛同しかねます」と一言。篠田氏も6月10日に「維新は野党ではありません」と書き込んでいる。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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