日ハム・吉田輝星はなぜ結果を残せないのか 「本来のストロングポイント見失った」識者が指摘する分岐点

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   プロ野球日本ハムの吉田輝星投手(22)が2023年9月1日に出場選手登録を抹消された。今季は1軍で3試合に登板し防御率は9.00。チャンスを生かせず2軍落ちとなった吉田は、這い上がることができるのか。1軍定着の課題とは。J-CASTニュースは、日本ハムOBで元楽天ヘッドコーチの橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

   今季初登板となった8月25日の西武戦は、5点ビハインドの8回に登板した。先頭の3番デビッド・マキノン内野手(28)、4番・渡部健人内野手(24)を三振に仕留め、続く外崎修汰内野手(30)をサードゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

  • 吉田選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
    吉田選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
  • 吉田選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「打者が変化球にもタイミングがずれなかった」

   29日のロッテ戦では4点ビハインドの8回に山口航輝外野手(23)にダメ押しとなる2ラン本塁打を許した。31日のロッテ戦は1点ビハインドの8回に登板。2死1、3塁のピンチを招き和田康士朗外野手(24)にライト前にタイムリーを許し1点を献上。チームは4-6で敗れた。

   橋上氏は今季の吉田の投球に関して「腕の振りが緩い」とし、次のように分析した。

「打者が吉田投手の変化球にもタイミングがずれなかった。腕の振りが変化球の振りになってしまっているように見えました。打者は投手の腕の振りに対してタイミングを取る。腕の振りに対して球が遅かったりすれば変化球の効果が出るが、腕の振りと変化球が感覚的に一緒だと単なるスローボールなので簡単に打たれてしまう。3試合を見た限りでは物足りなさを感じました。少ないチャンスでしたが、首脳陣がこれ以上は同じだと判断して2軍行きになったのでしょう」

   吉田の調子が上がらない要因のひとつとして、シーズン前に先発を希望していたことが関連していると指摘する。ルーキーイヤーの19年から21年までの3年間は先発としてマウンドに立ち、22年のシーズン途中から中継ぎに配置転換。スポーツ紙などの報道によると、今年のキャンプインを前にして先発挑戦を表明したという。

   橋上氏は「先発をやりたいとなると球種を増やす必要があり、投球スタイルを変えないといけない」とし、「先発に回りたいがための準備が弊害になったと感じます。吉田投手の1番のセールスポイントは切れの良いストレートだったが、キャンプでそのストレートに磨きをかけるよりも他の球に目が行き本来のストロングポイントを見失った感じがします。シーズンに入ってもそれが尾を引いている感じに見えます」との見解を示した。

   さらに「ストレートだけを磨くのであれば吉田投手にとってプラスが多くマッチしたと思います。先発を見越して変化球を習得するのは悪いことではないが、それによってストレートに対する意識が薄れてしまっている感じがします。もったいないですね。まずはしっかり腕を振り、自分の1番良い球を見つめ直してさらに磨きをかけることが来年以降活躍するためのポイントになるでしょう」と分析した。

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