「外出ろこの野郎!」鹿島戦で男性客が大暴れ「女性の悲鳴聞こえた」 県警捜査、クラブは無期限入場禁止に

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   Jリーグ・ルヴァン杯の準々決勝で、鹿島アントラーズのサポーターが多く集まるメインスタンドにいた若い男性が大暴れして、スタンドのスタッフを突き飛ばす様子を撮った動画が、ツイッター(X)にいくつか投稿されている。

   会場になった茨城県鹿嶋市内の県立カシマサッカースタジアムに警察も出動しており、茨城県警の鹿嶋署は、捜査中だと取材に答えた。鹿島は2023年9月12日、観戦ルール違反があったとして、この男性を無期限入場禁止の処分にしたと公式サイトで発表した。

  • カシマサッカースタジアム
    カシマサッカースタジアム
  • スタッフらに制止される男性(ツイッター投稿の動画から)
    スタッフらに制止される男性(ツイッター投稿の動画から)
  • 男性に突き飛ばされたスタッフ(ツイッター投稿の動画から)
    男性に突き飛ばされたスタッフ(ツイッター投稿の動画から)
  • カシマサッカースタジアム
  • スタッフらに制止される男性(ツイッター投稿の動画から)
  • 男性に突き飛ばされたスタッフ(ツイッター投稿の動画から)

スタッフの頭を押さえ、そのまま押し倒した

   白いTシャツを着た茶髪の若い男性が、スタンドのスタッフや客らに押さえ付けられている。

   スタッフは、男性の肩に右手を回し、スタンドの階段を上って連れて行こうとした。すると、男性は、左手でスタッフの頭を押さえ、そのまま押し倒した。

   スタッフは、バランスを失って、イスの上に仰向けに倒れそうになる。そのときに、後頭部を手すりに打ち付けたようにも見えた。

   男性は、観客に取り押さえられ、連れて行かれる。スタッフは、すぐに立ち上がって男性を追い、男性は、また戻って来た。

   この動画は、鹿島が対戦した名古屋グランパスのサポーターという人が、試合当日の9月10日、ツイッターで投稿した。

   投稿者は、鹿島側で悲鳴がしたため、急いで動画を撮ったという。この騒ぎで、スタジアムにはパトカーが出動したといい、男性が暴れているのを見て嫌な気持ちになったと打ち明けた。

   準々決勝は、鹿島が延長戦に突入した試合で、1対2で名古屋に敗れた。MF柴崎岳選手(31)が6年半ぶりにスペインから復帰した試合になったが、初戦を飾れなかった。

   動画の投稿者は11日、J-CASTニュースの取材に応じ、今回のトラブルが起きたのは、試合が終わって選手がメインスタンドにあいさつに回って来た直後の21時前ごろだったとした。

「警備員が階段下に転げ落とされたようでした」

「トラブルは長くなく、2~3分というところです。どうやら、警備員が階段下に転げ落とされたようでした。これは、別の方がツイートしていたのを見ており、直接は見ていません。女性の悲鳴が聞こえたので、カメラを向けました」

   投稿者は、今回は一部のサポーターが暴れており、「大多数のサポーターは日本の安心安全なスタジアムが好きで、その実現を心から望んでいます」とマナーを守っていることを強調した。

   ツイッター上では、別の投稿者がこのときの動画をアップしている。

   それを見ると、Tシャツの男性は、スタッフらに押さえ付けられながらも、階段から落ちて行き、スタッフが階段下で仰向けにひっくり返っている場面が映っていた。スタッフは、すぐに起き上がり、男性は、スタッフらとまたもみ合いになっていた。

   その際に、男性は、観客の髪の毛を引っ張ったり、ひじで押したりしており、「いいから、外出ろ。この野郎!」などと怒鳴っていた。

   スタジアムを管轄する茨城県警の鹿嶋署は9月11日、取材に対し、「昨日、事案を認知して対応しており、必要な捜査をしています。動画のことも知っています。広報事案ではありませんので、詳細はコメントを差し控えさせていただきます」と話した。

   鹿島アントラーズの広報担当者は12日、J-CASTニュースの取材に答え、10日21時前ごろにメインスタンドで今回のトラブルがあったことを認め、そのときの状況を説明した。

本人が違反行為を認めたため処分

   それによると、メインスタンドの観戦客同士でトラブルが起こり、運営スタッフが制止したものの、観戦ルールに違反する行為があったとした。試合結果に腹を立てたことが原因ではないという。トラブルの過程や詳細については、説明できないとした。

   試合では、警察官が待機しており、連携してトラブルに対処したという。救急車は出動せず、このスタッフは、命に別状はなかったが、けがをした。警察に被害届を出すかは、スタッフの判断になるため、鹿島側はコメントできないとしている。

   スタジアムでは、酒の持ち込みは禁止しているが、販売はされていた。トラブルを起こした客は、酒を飲んで酔っていたかどうかについてもコメントできないという。

   鹿島アントラーズは9月12日、「名古屋戦(9/10)での観戦客の違反行為に関する処分について」と題するニュースを公式サイトで発表した。

   そこでは、試合終了後、メインスタンド内でスタッフに対して威嚇や暴行行為、会場運営の妨げになる行為があったとし、これらの行為は観戦ルール違反に当たるとした。そして、該当者1人を特定して、本人に事情聴取し、違反行為を認めたため処分を下したと説明した。処分は、鹿島アントラーズが出場するホームゲームやアウェイゲームへの無期限入場禁止にする内容だ。

   最後に、「今回の違反行為を受け、クラブとして、セキュリティ体制強化や観戦ルールの周知を徹底してまいります。サポーターの皆様におかれましては、観戦における禁止行為について今一度ご確認いただき、ルールを順守してご観戦いただきますよう、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます」と締め括っている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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