渡辺明九段、NHK番組質問に苦言「それだけ?」「聞かないんだ?」 藤井聡太特集、物議態度は「機嫌悪かったから」

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   2023年10月17日放送の「クローズアップ現代」(NHK)に出演した、将棋棋士の渡辺明九段が、番組での自身の態度がインターネット上で話題になったことに対しX(旧ツイッター)で反応した。

  • 渡辺明さんのX(@watanabe_1984)より
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「今後藤井八冠とどう戦っていかれますか?」「さあ...」

   番組は、勝利確率1%というAIの分析からの大逆転で藤井聡太八冠が永瀬拓矢王座を破った、10月11日の第71期将棋王座戦第4局で「何が勝敗を分けたのか」を取り上げる特集だった。渡辺さんは「タイトル通算獲得数歴代4位。藤井さんと最も多くタイトル戦を争った」との紹介でスタジオゲストとして出演した。

   渡辺さんが2年前まで三冠(名人・棋王・王将)だったが、23年6月までに藤井さんに奪われたとの紹介から、渡辺さんが藤井さんに負けた試合を振り返りながら藤井さんの強さを語るという場面があった。2021年の将棋オープン戦でも、AIの分析で99対1で渡辺さんが有利だったところ、終盤で藤井さんに一気に逆転され渡辺さんが負けたという対局があった。

   桑子真帆アナウンサーが「自分が優勢でいても、藤井さん相手だとどういう心境なんですか?」とたずねると、渡辺さんは

「将棋は相手とやってるので、当然相手との力関係を把握した上でやってるので、強い人が相手だとそんなチャンスも多くないだろうなという心理もどうしても働くんですよね」
「チャンスだと思うとちょっと力が入るというか、相手が弱ければ変な話チャンスはいくらでも来るので、このシュート1本外しても何本でも打てるでしょという。なので大枠狙っていけばいいと思うんですけど、対戦相手が強いとそんなフリーで打てるシュートチャンス何回も来ないでしょ、という意識が働くので、多分際どいところ突こうとするんですよね、どうしても。そういうのの積み重ねでなかなか決定打がつかめない」

と答えた。

   番組の最後、藤井さんは現在伊藤匠七段との竜王戦に臨んでいるという話から、桑子アナが渡辺さんに「今後藤井八冠とどう戦っていかれますか?」と聞くと、渡辺さんは「さあ...」と笑った。

   桑子アナが「『さあ』ですか!?もう少しいただけますか?」と笑いながら食い下がると、渡辺さんは

「うーん...そうですね、自分がタイトルを持ってた時というのは、待ってれば藤井さんが挑戦してきたというのが2020年から23年までだったんですけど、今藤井さんが全部タイトルを持ってますので、戦うためには自分が挑戦者にならないと対戦しないので、一旦頭の中からは消えましたね。どう戦っていこうかみたいなのは」

と答えた。

   桑子アナが「またそれがワッと浮かび上がってくることはありますか?」と聞くと、渡辺さんはまた「さあ...」と笑って返し、桑子アナが「是非、私たち楽しみにしていますので、これからも頑張っていただきたいと思います」と締めていた。

「ウケ狙いではなく機嫌が悪かった」

   番組最後の渡辺さんの態度について、インターネット上では「『今後藤井八冠とどのように戦っていきますか?』の問いに対して『さぁ?』と答える渡辺センセ、流石過ぎるwwwww」「わろた。こういうとこ正直で好きよ」など、笑いをもって受け止めている将棋ファンらが目立った。

   渡辺さんは10月18日、Xで「昨日の番組最後でまともに答えなかったのはウケ狙いではなく機嫌が悪かったからです」と切り出し、

「どれだけ答えようが、もらうお金は変わらないので別にいいんですけど、質問、それだけ?もっと話せたのにな、竜王戦の展望だって、第1局を自分は3日間現場で見てるのに聞かないんだ?そもそも、そのこと自体把握してんの?という思いが残りました」

と、番組への率直な思いを明かした。

   さらに、本来は10月16日生放送だった「クロ現」が緊急地震速報で中断し、収録に切り替えて翌17日放送だったこと、また「朝に人間ドックを受けていて、、、(お察しください笑)」ということから「機嫌が悪いのを制御できなくなりました」とも明かし、「もうタイトル保持者っていう王様のような立場でもないのにプライドは高くてめんどーなやつでしょw」と自虐した。

   「事前にリモートでもいいから打ち合わせの時間を取ってくれと言われた時に『いや、僕は生放送いきなりでもできるんで必要ないです』と断った自分も悪かったし」との反省も見せつつ、「ちなみに番組進行で誰に何を聞くかは制作側が決めていて、アナウンサーはそれを遂行するのみなので、責められるべきではない」と、桑子アナへの苛立ちはないことを表明していた。

   渡辺さんあてには「渡辺氏への礼儀、敬意が足りない番組だと、将棋素人のわたしでも感じた。最後の方は本当に不躾な質問が続いたように思う」など、擁護のコメントも寄せられたが、

「えぇ...番組の内容自体は微妙だったし、失礼な点もあったからなぁと思っていたけど、事前の打ち合わせ断ってこれは...将棋番組じゃないんだから打ち合わせしないと制作側はどうすりゃ良いのよ...」
「色々ご事情があったとは思いますし、NHK側の渡辺九段への敬意に欠ける構成もどうかも思いましたが、もう少し、楽しみに番組を見ていた視聴者への印象も、考えて欲しかったです 藤井八冠がいかに、お疲れの中でも取材対応で言葉を慎重に選ばれているか、全ては将棋界の発展や普及のためですよ?」

と、批判的な意見も書き込まれた。

   渡辺さんは18日夜に改めて

「たくさんの励まし、ご意見、ありがとうございました。自分が怒りやすいこと、面倒なやつであることを改めて自覚しました。今後は周りに迷惑をかけないように心掛けて、受けた仕事は誠心誠意、取り組みたいと思います」

と投稿した。

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