2024年 5月 22日 (水)

「特務機関NERV」、API制限で自動投稿できなくなるも...X社の「緊急的」対応で解消

   地震や津波、気象警報などの防災気象情報を配信するアカウント「特務機関NERV」が2024年1月1日、同日16時10分ごろに起きた令和6年能登半島地震で、X(旧ツイッター)の自動投稿機能が「APIの使用回数が上限に達した」として一時的に使えなくなり、アプリの使用を呼びかける場面があった。

   ユーザーからは回数制限を解除するように求める声が相次ぎ、後に制限が緩和された。ポストの自動投稿も再開された。

  • 「特務機関NERV」アプリで表示された令和6年能登半島地震の様子
    「特務機関NERV」アプリで表示された令和6年能登半島地震の様子
  • 2023年9月には「強震モニタレイヤー機能」が実装された(写真はプレスリリースから)
    2023年9月には「強震モニタレイヤー機能」が実装された(写真はプレスリリースから)
  • 「特務機関NERV」のXポスト。API制限が緩和されたことを知らせている
    「特務機関NERV」のXポスト。API制限が緩和されたことを知らせている
  • 「特務機関NERV」アプリで表示された令和6年能登半島地震の様子
  • 2023年9月には「強震モニタレイヤー機能」が実装された(写真はプレスリリースから)
  • 「特務機関NERV」のXポスト。API制限が緩和されたことを知らせている

「X(旧Twitter)のAPI使用回数が上限に達したため......」

   NERVアカウントは1日、地震発生直後から、地震や津波に関する情報や被災者に有用な注意事項などを続々と投稿した。

   同日18時6分に「X(旧Twitter)のAPI使用回数が上限に達したため、 @UN_NERV および @EN_NERV で自動ツイートができなくなっています」とアナウンスし「NERV防災アプリをお使いいただけましたら幸いです」とし、アプリ版の使用を求めた。

   APIは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の略称で、Xでは、タイムラインを読み込んだり、「いいね!」やリポストを行ったりする際に使用される。ウェブサイト更新などを自動投稿する際にも使用される。

   23年7月、Xのオーナーとなったイーロン・マスク氏が一部ユーザーによる過剰なデータ使用を問題視し、API制限を開始。段階的に制限を解除していくとしていたが、7月当時は一般ユーザーでも制限を受けることが多く、ユーザーらの困惑の声が相次いでいた。

   現在は一般的なレベルでの使用で制限を受けることは少ないが、特務機関NERVは1日の地震で一時的に投稿量が増加したことで、この制限を受けたとみられる。

「Xもたまにはいいことをする。いつもこの調子で頼むぞX」

   その後、21時過ぎ、「【API制限が緩和されました】」と報告した。「X社からご連絡を頂き、@UN_NERV および @EN_NERV をPublic Utilities App(公共アプリ)に登録する手続きを緊急的に行っていただきました」とした。

   投稿と前後して自動ツイートが再開したとして「ご心配くださった皆様、大変ありがとうございました」と感謝を述べた。

   API制限について批判的なユーザーが多かったが、X社の対応に感謝するの声も寄せられている。

「X社が純粋に良い対応をしてくれてありがたすぎる...元旦にこのスピード感で対応て...」
「良い行動には賞賛を。Xもたまにはいいことをする。いつもこの調子で頼むぞX」

   特務機関NERVは、現「ゲヒルン株式会社」代表の石森大貴氏が2010年2月にスタートしたアカウント。石森氏がアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のファンだったことから、作中に登場する組織「特務機関NERV」の名前を借り、なりきりアカウントを作成。当初はアニメのセリフなどをもじって防災情報を呟くbotアカウントだったが、2011年の東日本大震災をきっかけに現在のような本格的な防災気象情報発信アカウントとなったという。

   気象庁の発表を基とする情報の正確性と迅速な投稿は、「テレビの速報より10秒以上早い」と評されるほどだ。

   エヴァンゲリオンシリーズの版権元からも、社会的に意義のある活動であるという理由で許可を得ている。

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