「バー、キャバレー、ナイトクラブ」倒産が過去最多 二次会離れが打撃、生き残るにはどうしたら

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   年末年始のかきいれ時を迎えているが、バー、キャバレー、ナイトクラブといった二次会使える飲食店の倒産が急増している。

   東京商工リサーチが2024年12月9日に発表した「2024年1~11月の『飲食業の倒産」で明らかになった。

   年間最多を更新するペースだ。女性から接待を受ける飲食店は、もう流行らないのだろうか。調査担当者に聞いた。

  • バーのカウンターでくつろぐ女性(写真はイメージ)
    バーのカウンターでくつろぐ女性(写真はイメージ)
  • (図表1)飲食業の倒産(1~11月)の推移(東京商工リサーチ調べ)
    (図表1)飲食業の倒産(1~11月)の推移(東京商工リサーチ調べ)
  • (図表2)2024年1~11月の飲食業業種別小分類倒産状況(東京商工リサーチ調べ)
    (図表2)2024年1~11月の飲食業業種別小分類倒産状況(東京商工リサーチ調べ)
  • バーのカウンターでくつろぐ女性(写真はイメージ)
  • (図表1)飲食業の倒産(1~11月)の推移(東京商工リサーチ調べ)
  • (図表2)2024年1~11月の飲食業業種別小分類倒産状況(東京商工リサーチ調べ)

人手不足、物価高、値上げのトリプルパンチ

   東京商工リサーチの調査によると、2024年1~11月の「飲食業」の倒産(負債1000万円以上)は908件に達した。これまで年間最多の2023年(1‐12月)の893件を15件上回り、11月までで年間最多を更新した【図表1】。

   コロナ禍で痛手を受けた飲食業界に、インバウンド需要や賃金上昇などでお客が戻ってきた。だが、物価高を反映した値上げで来店回数が落ち込み、物価上昇に見合う売上増が厳しい飲食店が多い。特に、小・零細規模の飲食店は人手不足、物価高、値上げのトリプルパンチを受けている。

   業種別分類で倒産の増加率をみると、最大は「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の80件(前年同期比66.6%増)で1.6倍に増加した。次いで、「そば・うどん店」の17件(同54.5%増)、「すし店」の27件(同28.6%増)と続く【図表2】。

   「バー、キャバレー、ナイトクラブ」と「そば・うどん店」「すし店」は、11月までに過去最多だった2023年の年間倒産件数を超えている。

企業の接待と、二次会や三次会がなくなって...

   J‐CASTニュースBiz編集部は、東京商工リサーチ情報部の調査担当者に話を聞いた。

――「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の倒産が前年同期比約66%増と、さまざまなタイプの飲食店の中でも突出して多いですが、ズバリ理由は何でしょうか。

担当者 コロナ禍をはさんで、接待や飲み会の変化が影響しているようです。コロナ禍以前は二次会や三次会など、夜遅くまで飲むケースが多かったと思います。しかし、アフターコロナでは、一次会で終わるケースが多くなり、バー、キャバレー、ナイトクラブを利用する機会が減りました。

特に、バー、キャバレー、ナイトクラブは接待需要を多く取り込む業態ですから、企業の接待が減ったことも大きな痛手です。

また、倒産した店は中小・零細業者が大半です。ここにきて、コロナ禍のゼロゼロ融資などの支援効果が薄れたうえ、来店客数が減少する一方、光熱費や人件費などのコストが上昇していますから、経営に影響を及ぼしていると思います。

――今後、バー、キャバレー、ナイトクラブは衰退に向かうということでしょうか。

担当者 入れ替わりが激しい業界ですから、衰退というよりは時代の変化に合わせて営業の変化が進むと考えられます。もともと飲食業は、利用客の年齢層や時代の流行に合わせ、営業が短期的なサイクルで変化する傾向にあります。

新しいナイトビジネスを提供できるところが生き残っていくと考えられます。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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