大手3社は、格安ブランドから本ブランドにセルアップ目指す
――それは、具体的にはどういうことでしょうか。
担当者 たとえば、シェア1位の「docomo」は、部門別の満足度では、料金で8位、サービスで9位、顧客サポートで8位です。一方、総合満足度が1位の「povo」は料金で2位、サービスで2位、通信品質で1位です。 ちなみに料金で1位は「楽天モバイル」ですが、通信品質で8位、顧客サポートで6位のため、総合満足度では3位になりました。
――なるほど。これからの大手4キャリアの競争はどうなるでしょうか。何が最大の注目点と思いますか。
担当者 大手3キャリアはサブブランドやオンライン専用ブランドなど格安ブランドを含めてユーザーの離脱を防ぐ動きをしています。通信料金を高くすることは難しいため、金融サービスに力を入れて、顧客1人あたりの収益性を高めていきます。
楽天を含めた大手4キャリアは、通信と金融を含めた経済圏の競争が激しくなるでしょう。ただ、個人のお客の獲得競争は激しいことから、AIやDXを含めた法人向けサービスの提供を強化しています。
また、大手4キャリのシェアは90.9%と寡占市場であることに変わりありませんが、オンライン専用プラン、キャリアサブブランド、楽天モバイルを合わせた格安ブランドと呼ばれる割合は42.3%となりました。格安ブランドのシェアは1年前の2024年2月調査の39.6%から2.7ポイントも増加しました。
――つまり、格安ブランドに競争の焦点が移っているわけですか。
担当者 「docomo」「au」「SoftBank」を合わせた大手3キャリアの本ブランドシェアは、今回調査で57.7%と、前回調査の60.4%から2.7ポイント減少しました。格安ブランド全体と大手3キャリの本ブランドのシェアは、数年で逆転する可能性があります。
大手3キャリとも、自社の格安ブランドから本ブランドにセルアップ(顧客が購入した商品と同種で「より上位のもの」を提案し購入してもらうこと)する「ポイ活系プラン」を強化しており、今後の動向を注視していきたいと思います。
(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)