シェアと満足度が逆転するのは、「料金」の影響が大きい
―― 一方、前回調査(2024年9月)では、シェアが1.6ポイントも急上昇した「楽天モバイル」は今回、微増にとどまりました。昨年(2024年)6月のプラチナバンド商用化の効果が定着したということでしょうか。
担当者 「楽天モバイル」は前回大きくシェアを伸ばしていたため、今回のスコアは微増となりました。ただ、楽天モバイルの発表ではユーザー獲得は順調です。MMD研究所のシェア発表は100%で表すことから、今回の調査期間では「ahamo」が「楽天モバイル」を上回るユーザー増加を記録したため、「楽天モバイル」のシェア増加は微増に見えています。
――興味深いのは、シェア上位の「docomo」「au」「SoftBank」が、総合満足度ではワースト3になり、一方、シェア下位の「povo」「LINEMO」が総合満足度では1、2位になっていることです。シェアと満足度の順番がほぼ真逆なのは、なぜでしょうか。
また、総合満足度トップ2の「povo」「LINEMO」にはどんな特長があり、評価されたのでしょうか。
担当者 携帯電話は国民の多くが所有し、毎月継続して料金を支払うインフラのようなサービスなので、満足度は新規ユーザーの獲得より、継続意向となるリテンション(既存顧客の維持)に寄与します。そのため、満足度をみるとともに不満足度に注目し、不満足度が高くなることでシェアが低下する恐れがあります。
大手3キャリアは料金面で不満足度の割合が高く、一部のユーザーが離脱して格安ブランドに移行しています。こうしたユーザーは主に料金面で満足します。格安ブランドが本ブランドより満足度が高い傾向があるのはそのためです。