キレイな住まいで育ち、ゴキブリを初めて見てパニックに
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった国民生活センター相談情報部の担当者に話を聞いた。
――ゴキブリ駆除の相談がものすごく増えていますが、なぜ最近の若い人はゴキブリくらいで大騒ぎするのでしょうか。現在70代の私はゴキブリを見かけたら、箒(ほうき)で掃いて、外に逃がします。
また、大型のクモやヤモリもよくタンスの裏や壁に張り付いていますが、こちらはゴキブリを食べてくれるので、「ありがたく」同居しています。
担当者 若い人たちは虫に対する苦手意識が非常に強いのだと思われます。昭和の世代と違って衛生環境が進み、小さい頃からとてもキレイな住まいで育っていますから、ゴキブリなど見たこともないし、退治したこともないのかもしれません。
虫が外にいるのは許せても、家の中に虫がいるのは許せないと、初めて家の中にいるゴキブリを見て、恐怖でパニックに陥る若者が多いのだと思われます。
2021年に東京大学の研究チームが、「現代人に虫嫌いが広がっているのは都市化が原因」とする論文を発表しました。その理由として、(1)都市化が進むと野外の虫が減り、室内で虫を見る機会が増える、(2)また、自然観察体験が減ったため、虫が区別できなくなる、(3)そこに感染症に対する恐怖が加わり、家に侵入してきた虫すべてに強い嫌悪感を抱く、といった内容です。