女性アナが同僚に睡眠薬、傷害罪で起訴 足の引っ張り合い、いす取り合戦と言われた特殊な仕事の裏側

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「男性優位社会」のなかで弱い立場に

   「いす取り合戦」という生々しい言葉は、女性アナウンサーがいかに特殊な職業なのかを物語っている。

   在京キー局のアナウンサーの競争率は約1000倍ともいわれる狭き門だ。

   "女子アナ"ブームの果てに、「批判を恐れずに言えばルッキズム(見た目)と、ある一定水準の学歴優先という冷徹な関門が、最近の女子アナ志望者の前に立ちふさがっているのがテレビ界の厳然たる事実なのだ」と述べたのが、かつて日本テレビでプロデューサーを務めた吉川圭三氏だ(引用はすべて「東洋経済オンライン」2022年8月13日『日本のテレビ局の女子アナだけに起きている異常/「ジェンダー問題」と「男性優位社会」を象徴する』より)。

   そんな苦労を経たにも関わらず、早期に退職したり、年月が過ぎると別部署に異動するアナウンサーは少なくない。かつては「女子アナウンサー30歳定年説」などと言われたこともあった。

   その理由を吉川氏は「『見た目』で選ばれ、キャリアを積んでも30歳を過ぎて結婚すると、なぜか別の部署に異動させられ、出産・子育てを経た後に、第一線に復帰する女子アナもいるが、それはごく一部である」ことを指摘し、彼女たちがいかに「男性優位社会」のなかで弱い立場に置かれているかを指摘している。

   女子アナウンサーをめぐる構造は、われわれの周りにも横たわる問題でもある。不幸な事件で注目される今こそ、その根本から考えていくべきだろう。

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