知らない間に染みついた夜型生活、体へのダメージも
夜働く生活を送れば、毎日朝決まった時間に起きるのはほぼ不可能である。
起床時間を午前中に設定するナイトワーカーは少なく、だいたいが昼12時以降に活動を開始し始め、中には夕方~出勤ギリギリまで寝続けるキャストもいるほど。完全なる昼夜逆転を3カ月続けただけでも、体はすっかり夜型になってしまう。
朝起きない日々が日常化すると、転職の際につまづきやすいのが大きなデメリットだ。
面接が午前中に指定されて起きられず、そのまま飛んだエピソードなどは時に笑い話として扱われるけれど、冷静に考えたら常識を逸脱した話でしかない。たとえ無理をして体を動かせたとしても、今までと異なる時間帯で動き回るのは慣れるまでに多大な時間を要するだろう。
実際に夜職歴15年超えのベテランキャストが結婚で卒業。その後はパートを始めようとしたが長年染みついた夜型体質が変えられず、早々に断念してしまった。「私が元気になるのはやはり、夕方以降からだ」と諦め気味につぶやき、結局活動時間帯を変えられなかった様子を今でも私は覚えている。
夜職はそこそこの体力がないと続かない商売だが、やめた途端にツケが一気に回ってくる可能性もある。お酒や昼夜逆転のダメージが蓄積し、免疫力の低下、持病の悪化などへつながれば、業界入りをする前より確実にパワーが擦り減っているだろう。「せっかく動ける時間が作れたのに、体が言うことを聞かない」と、引退後しばらくジッとせざるを得ない「卒業生」も少なくはないのだ。