大阪・関西万博の交通アクセス不安いっぱい 大阪メトロ運転見合わせで「帰宅困難」、バスの本数も不十分

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トラブル発生時は「もう待つしかない」

   万博初日に、夢洲駅に入れない人が多くいて、列車に乗るのにかなり待たされるという報道があった。「もし大阪メトロ中央線が止まったら、大変なことになるのでは」と考えた人は多いだろう。

   恐れていた事態は、22日の21時30分ころに起こった。大阪メトロ中央線大阪港駅で車両故障が発生し、22時25分ころまで運転を見合わせた。自動運転装置の故障を示すランプが点灯したとのことだ。

   この影響で帰宅客は足止めされた。

   だがそのときにバスは代替にならなかった。急に増発することができなかったのだ。

   2005年の愛・地球博(愛知万博)では、リニモでのアクセスは乗車人員が少なく、愛知環状鉄道がアクセスの中心になった。ただこのときの万博では、主要駅からバスが多く運行された。

   今回の大阪万博は都市部に隣接した地域で行われる万博ということもあり、通勤・通学輸送と万博への輸送の利用者がバッティングする問題も発生する。

   トラブル発生時には、もう待つしかないというのが現状である。会場を出る前ならバスメインのゲートか鉄道メインのゲートかを選択する余地はあるものの、出てしまったら決まったゲートから公共交通の乗り場に行くしかない。

   大阪・関西万博の会場への鉄道アクセスの輸送力は高くなく、バスもピーク時を中心としたダイヤになっている。余裕を持ったスケジュールで出かけていただきたい。(小林拓矢)


筆者プロフィール

こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)。

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