ハイブリッドカーが作りにくい欠点
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ、エンジン回転が低い状態で大きなトルクが出る。このため少しアクセルを踏んだだけで、クルマが力強く前に出る。交差点の信号待ちからの発進などは、ガソリン車よりも楽に感じる。
坂道でも力強く、街中の加速もスムーズで、燃費もよい。ガソリンに比べて軽油は安く、普段の街乗りでクルマを使うなら、ディーゼル車はよいことづくめだ。
ディーゼル車の欠点はエンジンが重く、ガラガラと振動や音がうるさいことだが、現在のクリーンディーゼルはかなり改良されている。ディーゼルエンジンは高回転まで一気には回らないため、高速道路の追い越しなどは多少不利かもしれない。
エンジンの構造が複雑で重いことから、ガソリンエンジンのようにモーターと組み合わせたハイブリッドカーを作りにくいのも、ディーゼルエンジンのデメリットだ。モーターと組み合わせると、車両重量が重くなってしまうからだ。ガソリンエンジンに比べて高価な点も、ディーゼルベースのハイブリッドカーが少ない理由だ。
そんなディーゼルエンジンは今後、どうなるのか。欧州メーカーにもディーゼル車は残っているが、紆余曲折を経ながらもEVシフトの流れは変わりそうもない。日本ではマツダが孤軍奮闘しているが、世界的にディーゼル車が復権することはないだろう。
(ジャーナリスト 岩城諒 )