日本棋院が2025年6月9日、東京本院所属の大須賀聖良(おおすか・せいら)三段(21)が死去したと発表した。
「聖良には天国でも幸せに過ごしてほしい」
日本棋院は9日、「大須賀聖良三段(21歳・東京本院所属)がご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます」と報告した。
報道によると、大須賀さんは事故による頭部外傷のため、7日に亡くなったという。
大須賀さんは埼玉県出身の女流棋士。04年1月20日生まれの21歳で、関西棋院の洪清泉(マルグンセム)四段門下。女流特別採用推薦で、20年にプロデビューした。23年には二段に昇段した。最後の対局は5月8日の本因坊戦予選C、遠藤悦史八段戦で敗れた。6月19日に女流名人戦を控えていた。
大須賀さんが所属していた洪道場の公式サイトでも9日、「突然の知らせに、道場関係者一同、深い悲しみに包まれております」と訃報を伝え、代表の洪マルグンセム氏が追悼のメッセージを公開した。
「聖良との時間を思い出したら聖良の声が聞こえて来ます。今も道場に貼っている聖良の写真をぼんやり見ています。涙が溢れます。聖良には天国でも幸せに過ごしてほしいです」
「ヨミが鋭く、戦いが強く、逆転力のある碁でした」
突然の訃報に、SNSでも棋士や囲碁ファンをはじめ、多くのユーザーから困惑と悲しみの声が相次いでいる。
日本棋院理事で、人気囲碁漫画『ヒカルの碁』の監修などを務めた女流棋士の吉原由香里氏は、「そんなことがあるなんて‥突然の訃報に言葉が見つかりません。ご冥福をお祈りします」と悲しみをつづった。
東京本院所属の首藤瞬八段は、「信じられない気持ちです。これからという時に」と驚きを明かし、故人の思い出を振り返った。
「大須賀さんの入段イベントで解説をさせていただきました。研究会が一緒でたくさん対局しました。ヨミが鋭く、戦いが強く、逆転力のある碁でした。おっとりした性格の中に意志の強さを感じていました。心よりご冥福をお祈りします」
東京本院所属の徐文燕二段は、「あまりに突然すぎて心が痛いです。聖良ちゃんとは院生時代から一緒でした。入段したての頃に研究会で1人の時によく話しかけてくれた優しい表情が忘れられません。ご冥福を心よりお祈りいたします」と故人を偲んだ。
東京本院所属の藤井浩貴三段は、「あまりにもショックです 院生の頃から知っていて何度も対局しました。本当に強かったです」。
「僕の知る限りですが、院生Aクラス1位を取った唯一の女性だったと思います 本当に悲しいです。心よりご冥福をお祈りします」と悲しみを明かした。
囲碁名人戦、将棋名人戦、朝日杯将棋オープン戦などを運営していた桑高克直さんは、日本棋院の公式Xによる訃報に「えっっ」と絶句。
「ご家族や関係者の悲しみはいかほどのものか。心からのお悔やみを申し上げたい」とした。
【訃報】大須賀 聖良三段 https://t.co/RIZM7Nr9QR #囲碁 #日本棋院
— 日本棋院●○ 【公式】 (@Nihonkiin_pr) June 9, 2025