プロボクシングのIBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、26)が、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、28)に挑戦する。
「グッドマンは 2 年間にわたり井上尚弥を追いかけてきた」
複数のオーストラリアメディアが2025年6月9日に報じた。
豪大手ニュースサイト「news.com.au」によると、世界タイトル戦は、8月16日にサウジアラビアで試合が行われるという。
同メディアは「サム・グッドマンは、井上尚弥との対戦を狙っていたが、急きょ、井上の将来の対戦相手を『奪い取る』ことになった」とし、グッドマンがボールに挑戦する経緯について説明した。
「グッドマンは 2 年間にわたり、スーパーバンタム級王者の井上尚弥を追いかけてきた。だが、井上の代わりにボールと対戦するチャンスに飛びついた。『モンスター』の愛称で知られる井上は、9月に日本でムロジョン・アフマダリエフとスーパーバンタム級王座を争う予定だ」
グッドマンは、IBFの指名挑戦者として24年12月に井上に挑戦する予定だった。ところが、練習中に左目上をカットしたことで試合を1月に延期した。不運は続き、またしても練習中に左目上をカットしたため、試合は中止となった。
その後もスーパーバンタム級にとどまり、井上との対戦を目指していたが、ボールに挑戦する機会を得て、1階級上のフェザー級転向に踏み切った。
「私たちはモンスターを恐れていない」
一方の井上は、9月14日にWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)と対戦する。これに勝利すれば、年末に世界タイトル戦を計画している。
当初、階級を一時的にフェザー級に上げてボールに挑戦する計画だったが、身体的な負担を考慮し、軌道修正する見込みだという。フェザー級への転向は、早くても26年夏以降になる見通しだ。
「news.com.au」は、「グッドマンのチームは、井上と対戦する代わりにボールと先に戦うことを選択し、フェザー級で井上と対戦することを検討している」と解説し、グッドマンのマネジャーを務めるピーター・ミトレフスキー氏のコメントを紹介した。
ミトレフスキー氏は、「モンスターは私たちと戦わないので、12月に予定している試合で対戦相手を倒してからグッドマンと戦わなければならない。私たちはモンスターを恐れていない。彼は私たちと戦いたくないので、グッドマンはフェザー級に階級を上げ、フェザー級のモンスターと対戦するつもりだ」と展望を語ったという。
グッドマンは20勝(8KO)無敗。対する王者ボールは、22勝(13KO)1分けで、タイトル戦は全勝対決となる。勝者は、将来的に井上の対戦候補となる。