ゲーム関連の情報を発信する人気YouTuberナカイドさんが2025年6月10日に公開した動画で、4月からYouTubeの広告収益が激減していることを明かした。
1再生あたりの広告単価が急落
ナカイドさんは人気ゲームのレビューやゲーム業界のニュース・トレンド解説などを得意するYouTuberで、チャンネル登録者数は40.3万人を数える。
「【データ公開】4月から収益が激減...YouTuberがどんどん廃業していきます」と題した動画でナカイドさんは、「4月からガチでヤバいことがおきてます。(YouTubeの)広告収入が激減してます」と切り出し、4月から1再生あたりの広告単価が落ちていると説明した。
ナカイドさんは具体例として、24年と25年における自身の広告単価を公開し始めた。まず、年度末につき広告単価が高くなる3月は24年が1再生あたり0.508円で、25年が0.528円と、+3.8%に微増していたという。しかし4月は、24年が1再生あたり0.469円だったのに対し、25年が0.38円と-18.9%も減少。5月に入ってさらに状況は悪化し、24年が0.445円だったところから-20.2%に激減していたという。
普段は月間収益を気にしていないというナカイドさんだが、5月に入って「なんか月間収益の数字がいつもより小さい気がする」「桁が減ってる」と異変を察知。自分だけに起きている現象なのかと思い、周囲の人たちに確認したところ「聞く人みんな下がったと言っていました」と明かした。
「ギリギリでやってる人はマジで食えなくなる」
ナカイドさんは「今から広告収入頼りのYouTubeチャンネルを作るのはありえないっていうのは業界的には共通認識なんですよ」「今から0→1で横動画で10万再生とか取るのってほぼほぼ不可能ですから。狙ってやることじゃないんですよ」とし、「今広告収入で食ってる人間もマジで終わり始めてるってことです。この4月からそれが本当の話になって今後もっと厳しくなる」と予測した。
広告単価が下がった要因としてナカイドさんは、ゲーム業界の不況、為替の影響を挙げた。さらに、圧倒的な加入者数を誇る定額制動画配信サービス「Amazon Prime Video」が2025年4月から日本で広告を表示するようになったことに伴い、YouTubeではなく同サービスに広告費を投じる企業が増えているからではないかとも推察した。そのうえで「ギリギリでやってる人はマジで食えなくなるのが確定ですね」と断言した。
こうした状況にどう対応するかについて、ナカイドさんは「面白い動画を出すしかない」と結論付ける。当面は収益を企業案件に依存するしかないとする一方、「今のスタイルのままやっていくと先はないなと思います」とも述べ、「独自のもの、色を出すことで勝ち筋を探すしかない。ただただ仕事をもらって企業案件をやるだけでは面白いものは生まれないですからね」と危機感を募らせていた。