2025年6月10日頃に関東甲信や北陸地方が、14日頃には東北地方も梅雨入りしたが、全国的に30度を超える暑い日が続く。この暑さから、SNSでは米の不作を心配する声が上がっている。猛暑による米の不作の可能性はどの程度あるのか。農林水産省に聞いた。現時点では「悪影響が出ているという状態ではない」特に17日頃から19日にかけては全国的に30度を超える場所が多く、18日に30度以上の「真夏日」を記録した場所は577か所、35度以上の猛暑日を記録した場所は71か所。岐阜県多治見市で最高気温37.6度を記録した。さらに、梅雨前線の一時消滅も報じられた。米の価格高騰への対策として政府備蓄米が放出されているなかでのこの気候に、Xでは、「6月でこんなにも暑いとお米が不作になりそうで怖い...」「お米大丈夫かしら?」といった、不作への不安の声が上がっている。実際、現時点で不作は予想されているのだろうか?農水省農産局穀物課の担当者は19日、J-CASTニュースの取材に、「このまま高温が続けば、植物にとって悪い影響は出てくると思う」としつつ、この先も暑い日が続くかどうかはわからないとした。さらに、「例年、(農家の)皆さんは夏の暑い時期でもきちんと管理をして、最大の努力をされています。確かに不安な気持ちにはなるかも知れませんが、現時点では具体的に悪影響が出ているという状態ではないと思っております」と説明した。今後の気候について、気象庁天気相談所は、ここ数日の暑さは20日頃から少し弱まる見込みだとしている。ただ、それでも平年よりは高い予報という。また、消滅している梅雨前線についても、20日から21日頃に「次第に西の方で見えてくる見込み」とした。また、夏の暑さについては、気象庁の公式サイトによると、平均気温は平年より高くなる見込みだが、降水量はほぼ平年並みの見込みとしている。昨年並みであれば主食用の米は「約40万トン増加する見込み」仮に不作となった場合について、農水省農産局企画課の担当者は、不作の状況にもよるが、急に不作が判明するわけではないため「状況を見ながら判断していく」ことになるとした。例えば93年のように作況指数74などになれば影響はあるが、作況指数90程度であればさほど影響はないという。また、24年の夏は23年と並び、統計開始以降で最も気温が高かったが、仮に24年並みの収穫量であれば、「去年よりも主食用の面積を増やしたいという意向が強いので、その希望面積で昨年並みの収穫量だと仮定すると、約40万トン増加する見込みです」と説明した。
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