任せた仕事はやってくれる頼もしい部下
一昔前なら、「ぐうたら社員」「さぼり屋」などと言われたのだろうが、いまは会社も上司も歓迎している。「マイナビ」は企業の中途採用担当者にも聞いていて、「静かな退職」に賛成は38.9%で、反対の32.1%を上回った。指示した仕事以上のことはしないが、任せただけの結果は出すから、上司にしてみれば、むしろ"勝ち星"を計算できる頼もしい部下なのかもしれない。また、「自分はこんなに一生懸命働いているのに......」という意識がないから、給料や待遇、上司に不満を持つことが少ないのも都合がいい。
会社も働く人もウィンウィンというわけで、先の調査では、「静かな退職」をしているという人の7割は「今後とも続けたい」としている。ただ、「静かな退職」は、任された、つまり引き受けた仕事にミスがあったり、目標を達成できなかったら、たちまち評価が下がる。その時は、"本当の退職"に追い込まれることを覚悟していなければならない。
(シニアエディター 関口一喜)