政治団体「チームみらい」の党首でAIエンジニアの安野貴博氏が2025年6月25日、妻の黒岩里奈さんが暴行を受けたとして、「断固として抗議したい」とXで表明した。党はJ-CASTニュースの取材に対して、事案を「言論や信条の自由を踏みにじる行為であり、『チームみらい』が目指す世界の対極にあるもので、極めて深刻な問題」などとして非難。警察に被害届を出し、26日に受理されたことを明らかにした。安野氏「民主主義の根幹を揺るがす」安野氏は、24年7月の東京都知事選で5番目に多い票を獲得。25年5月には、「チームみらい」を立ち上げ、夏の参院選に比例代表で出馬すると表明した。同党は、テクノロジーで政治と未来を良くすることを目指す新党だと公式サイトで説明している。また、安野氏のビジネス書「1%の革命ビジネス・暮らし・民主主義をアップデートする未来戦略」(文藝春秋)では、デジタル民主主義による構想を示している。こうした中、妻の黒岩さんが6月23日、夜道で見知らぬ男から突き飛ばされる被害に遭ったとXで報告。この男からは「安野の妻か」と確認され、「この差別主義者!ナチス!人殺し!」と叫ばれたという。怪我の程度は軽いとしている。安野氏は同日、黒岩さんのX投稿を引用リポストしながら、「これはさすがにおかしくないですか」と訴えた。また別の投稿でも、「家族に危害が加えられるのはさすがに」と憤りを示した。25日の投稿では、「このような暴力行為は看過できるものではなく、断固として抗議したいと思います」と表明し、黒岩さんに対する暴力行為を次のように批判した。「私自身の言動や党の政策に対するご意見やご批判は、真摯に受け止めたいと考えております。しかしながら、身体的な危害に及ぶ行為は民主主義の根幹を揺るがすものであり、決して許容されるものではありません」最後に、安野氏は「誰もが安心して意見を述べ、安全に暮らせる社会を守るためにも、このような行為には毅然とした姿勢で臨みます」と決意表明していた。「精神的ショックはあるようで、周囲のケアが求められる状況」党の説明によると、見知らぬ男性から「安野の妻か」と問われたので、「サポーターの方なのかと思い、『そうです』と答えた瞬間に突き飛ばされた」。「うずくまっている間に、罵声を浴びせられた」としている。けがは快方に向かっているが、「身体的なダメージ以上に、精神的ショックはあるようで、周囲のケアが求められる状況です」としている。警察には被害届を出し、26日に受理。今後は「家族やスタッフ、支援者の方の安全を守るための体制を強化」することに加えて、「警察とも連携し、街頭演説や日常生活においてもできる限りの対策」を講じるとしている。さらに、今回の事案を「目指す世界の対極にあるもの」、などとして、改めて非難した。「このような卑劣かつ暴力的な行為は、民主主義社会の根幹を脅かすものであり、決して容認することはできません。政治に携わろうと挑戦する者、ましてや家族に対して、暴力という手段で脅威を加えることは、言論や信条の自由を踏みにじる行為であり、『チームみらい』が目指す世界の対極にあるもので、極めて深刻な問題だと認識しています」「暴力は、決して正義の手段にはなりません。私たちは、どのような脅威にも屈せず、自由と尊厳を守るために闘い続けます。すべての国民が安心して意見を述べ、暮らすことができる社会を実現するため、私たちは一歩も退きません。この事件を一つの転機とし、『暴力ではなく対話で社会を変える』という信念を、今こそ強く社会に問いかけていきたいと思います」
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