釈明会見でも鎮火せぬ鶴保庸介氏発言 「元同僚」からも痛烈批判

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   自民党・鶴保庸介参院予算委員長の「運のいいことに能登で地震があった」という発言が、記者会見での謝罪後も炎上を続けている。

  • 鶴保庸介氏。2016年には沖縄北方相も務めた(写真:ロイター/アフロ)
    鶴保庸介氏。2016年には沖縄北方相も務めた(写真:ロイター/アフロ)
  • 「元同僚」石川知裕元衆院議員のポスト。「【半笑い】にあの人の全てが凝縮」とみている
    「元同僚」石川知裕元衆院議員のポスト。「【半笑い】にあの人の全てが凝縮」とみている
  • 鶴保庸介氏。2016年には沖縄北方相も務めた(写真:ロイター/アフロ)
  • 「元同僚」石川知裕元衆院議員のポスト。「【半笑い】にあの人の全てが凝縮」とみている

「被災地への配慮が足りなかった」も批判やまず

   複数の報道によれば、鶴保氏は2025年7月8日、和歌山市で行われた参院選(20日投開票)の応援演説で、能登半島地震について、「運のいいことに能登で地震があった」と述べた。二つの地域で暮らす「二地域居住」の推進を訴える中での発言だったという。

   鶴保氏は9日に記者会見を開き、「能登地方が被災したことを『運よく』などと発言してしまいましたが、思った発言では全くありません」と説明。「被災地への配慮が足りなかったと反省しております」「陳謝のうえ撤回をさせていただきたい」と話した。

   しかし、SNSではなおも怒りの声が続出。謝罪会見時の態度をめぐり、「頭も下げていないし座ったまま... それで陳謝と言われてもなぁ...」「座ったままの謝罪なんて、謝罪ではないよな。しかも、嫌々してるのか不貞腐れた態度、マジ感じ悪い」といった批判が続出している。

かつて仕えた小沢一郎氏「結局、反省などしていないということ。全てが絶望的」

   鶴保氏を知る人物からも、厳しい声が相次いだ。

   立憲民主党の小沢一郎衆院議員は9日、鶴保氏の発言について「政治家以前に人として絶対に許されない発言。人間性が問われる」と痛烈に批判。

   「多くの尊い命が失われ、多くの方が家を失い、町が崩壊。未だ避難生活を余儀なくされている方もいる。撤回では到底、済まないだろう」として、毅然とした対応を求めた。

   続く投稿では、鶴保氏がかつて内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)をつとめていた際、沖縄県の米軍施設工事への反対派を「土人」とした機動隊員の発言について、差別にはあたらないとする見解を示していたことにも言及した。

「沖縄担当大臣当時も『土人発言』容認発言に加え、『沖縄振興策は選挙結果次第』などと暴言を繰り返してきた人物」

   その上で、「こんな人物が参院予算委員長とは呆れ返る。正に自民党の象徴。和歌山でも全国でも自民党へ鉄槌を」としている。

   10日には、鶴保氏の会見でのふるまいについて「自らの責任が厳しく問われているこの状況下、なぜ小馬鹿にしたように笑えるのか、全く理解できない。結局、反省などしていないということ。全てが絶望的」と切り捨てた。

   「自民党は自民党。いつも同じことの繰り返し。そして、それを止めるのが選挙である」と政党批判につなげた。

   なお、鶴保氏は国会議員になる前、小沢氏の秘書を務めていた経歴がある。かつての「身内」とも言える人物からの批判となるかたちだが、小沢氏はそうした関係性には触れていない。

「【半笑い】にあの人の全てが凝縮されているような気がする」

   元衆院議員の石川知裕氏は、「鶴保さんとは小沢一郎事務所で若かりし頃、一緒に書生をしていた」と明かした上で、鶴保氏の記者会見の態度を批判した。

「記者からの議員辞職や離党を考えているかと質問された際に見せた馬鹿なこと聞くなと言わんばかりの【半笑い】にあの人の全てが凝縮されているような気がする」

   自民党出身で同じ和歌山県を地盤とする世耕弘成・元参院幹事長も「これは酷い。あまりにも酷い」と強く非難した。

   「これはあまりにも酷い発言です。あまりにも県民の気持ちから乖離した発言」とした上で、「故岸本知事が被災後の能登を真っ先に訪問され、災害に脆弱な半島県としての思いを共有されたことをわかっていないのでしょうか。こんなこと、和歌山県民一人たりとも思っていません」とつづった。

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