数十年前から続く大阪市鶴見区内の中国物産の朝市で、路上や近隣店舗に違法駐車したり、歩道で違法な営業をしたりするケースがあると、ネット上で指摘が出ている。
大阪市や警察も、警告の看板を出すなど対策を取っているが、イタチごっこになりがちなようだ。こうした状況について、朝市の運営側にも取材して話を聞いた。
近隣店舗「酷いときは、20台近くの車で満車」
サクサクの揚げパン「油条」、イノシシや羊などの肉、豆腐のスープ...。店頭には、中国の食材などが所狭しと並ぶ。朝市を運営する物産店のサイトを見ると、こうした写真が投稿されている。
中国語も飛び交うといい、店員がたくさんの客との応対に追われ、にぎわっている様子だった。
この物産店などは、大阪メトロ・門真南駅から南に15分ほど歩いた大阪市鶴見区内の府道沿いにある。
朝市は、日曜日に開いているが、店の周辺では違法駐車などが横行しているとネット上で指摘されている。パトカーが去った後に続々と路上駐車する様子を撮った動画も、ユーチューブなどに上がっていた。
府道の歩道では、違法な営業が行われている実態もあり、大阪市建設局の中浜工営所と大阪府鶴見署では、ガードフェンスを張り、警告の看板を出していた。そこでは、中国語と日本語で、公道上での物品販売などは違法だとして、「今後、改善が見られない場合は、厳しく取り締まります」と告げていた。
近隣の店舗では、朝市に行く客らが勝手に駐車場に車を止めているとの指摘も出ていた。実際、2025年7月23日、ある店舗にJ-CASTニュースが取材すると、責任者は、こう話した。
「店のオープン前の朝に、酷いときは、20台近くの車で満車になると聞きました。私が確認したときも、5台ぐらい止まっていました。お客さんには、日本人もいますが、中国の方が多いですね」
大阪鶴見署「今後は、対策を強めていく」
この店舗では、英語、中国語、日本語で、「お店の駐車場は、使用禁止になります。次回は、警察に通報します」といった内容を書いた貼り紙を出しているという。責任者は、「上からOKが出れば、勝手に止めた車にはチェーンをかけるなどの対策もしようと思っています」と明かした。
こうした状況について、大阪市や警察は、どのように考えているのだろうか。
市建設局の中浜工営所は7月23日、取材に対し、中国物産販売の2店が朝市を運営しているとして、こう話した。
「歩道で、野菜や食品を売る人たちがいます。コロナ禍で落ち着きましたが、最近また多くなってきました。路上に段ボールやプラスチックケースを置いて販売しています。定期的に巡回して、5、6人はいるのを確認しました。注意しますと、いったんは引き下がりますが、戻って来るようです。これらの人たちと2店との関係は把握していませんが、2店では、『ルールを守るようにさせます』とは言っています。今後どうするかは、今検討しているところです」
路上販売などについて、鶴見署は同日、取材に対し、こう答えた。
「数十年前から、中国の物産がたくさん並び、食材を買い求める客が来ていました。路上販売は違法ですので、一斉取り締まりを行った結果、かなり減りましたが、それでも集まって来るようです。中国系が多いですが、客は日本人も来ます。路上販売は、注意して撤去してもらい、警告しています。違法駐車には、カラーコーンを置いて、日曜日の早朝からピークが終わる10時ごろまで警察官を配置しています。今後は、対策を強めていくことを検討しています」
中国人らで朝市を運営しているという物産店のスタッフは同日、取材に応じて、もう1店は親類がやっていると明かした。路上販売や違法駐車については、こう説明した。
「路上販売は、市の建設局に看板を立ててもらって、『止めて下さい』と呼びかけています。中国の方は顔見知りですので、それしか言えません。警察は、毎週出動して、違法駐車の取り締まりをしています。警察とも連携していますが、それでも限界があります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)