2025年7月下旬、映画館や劇場が集中する東京・日比谷のコンビニがSNS上で大きな注目を集めた。この店舗の売り場には、ボンタンアメがびっしりと並んでいる。その驚愕の光景に驚くコメントが相次いだ。この取り組みを行うのは、東京メトロ日比谷駅から徒歩2分にある「セブン-イレブン東京ミッドタウン日比谷店」だ。このところ、ボンタンアメは「尿意を抑えられる」とネット上で噂が広まり(あくまで噂であり、科学的な裏付けは不明)、注目されていた。これに目をつけた同店の店長は、「尿意に対する効果があるかどうかは分からないが、心配を和らげて、映画や舞台を楽しんでいただきたい」と取材に話した。「ここまで大量のボンタンアメ、見たことない!」J-CASTニュース記者は7月28日、「東京ミッドタウン日比谷店」を訪ねた。飲料コーナー付近にある入り口から入ると、商品棚のあいだの通路には積み重なったケースが置かれており、ボンタンアメが山積みになっていた。お菓子コーナーやレジカウンター前の陳列棚にも無数に並んでいる。さらに、ボンタンアメを紹介する非常に大きいPOPも店内に設置していた。「ネットで話題!」「めちゃくちゃ売れすぎてます」――などの文言とともに、おなじみの商品パッケージを掲示している。この様子が話題になったのは7月24日ごろだ。約3時間の長尺映画「国宝」などを上映している「TOHOシネマズ日比谷」が近くにあって、話題のボンタンアメを大量に用意しているという趣旨のX投稿が注目を集めた。28日時点で6万2000件以上の「いいね!」を集めるなど話題になり、「ここまで大量のボンタンアメ、見たことない!」「すごい光景ですね」「これは壮観ですね」などと驚く声が続々と寄せられた。どのような経緯があったのか。同店の店長は28日、25年3月に2000個を発注して始めた取り組みだと取材に答えた。セブン-イレブンでは25年2月下旬からボンタンアメを発売した。同店でも当初は通常の発注をしていたが、客から「ボンタンアメありませんか」と聞かれることが続いていたという。店長によれば、日比谷は東京宝塚劇場や日生劇場などが集まる地域のため、鑑賞中に食べられるお菓子が以前から売れていたという。大量発注した理由について、「演劇中の尿意を心配する方からの需要があると思ったし、映画とか演劇を楽しんでほしいと思いました」と振り返る。そして、実際に1週間ほどで完売した。通常よりも300倍~500倍多く発注だがその後、ボンタンアメを発注できない時期が続いた。しかし25年7月から再び大量に発注できるようになった。7月1日に3000個を発売して売れたため、10日は5000個を追加。多い日には1日500個も売れたという。通常の店舗では、1週間に1箱のボンタンアメ10個を発注して商品棚に置く場合が多いだろうと、店長は説明する。つまり、単純に比較すれば、同店では300倍から500倍ほど多い量を発注していることになる。SNS上での反響については、「全然こんな風になると思っていなかった。需要があると思って発注していただけです。お客さまが『これじゃん!』と写真を撮ることも多く、楽しんでいただいているなと感じています」と述べた。同店では、7月30日ごろに8000個を販売する予定だ。店長は、「ボンタンアメがあることを期待している方も多いので、『切らさないようにしないと』と思っております」と話した。店長によれば、同店のお菓子売り場を担当するチーフが取り組みを主導。大量に発注できないかと店長に相談し、大量のボンタンアメを発売することにつながった。売り場での並べ方やPOPの書き方なども取り仕切っている。チーフは取材に対し、「たとえば、ドリンクを買う方はお菓子コーナーを見ないことが多いんです。さまざまな目的を持って来店するお客様一人ひとりにボンタンアメが目が入るように工夫しています」と狙いを話した。
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