2025年シーズンの中日は反発力が違う。7月31日の巨人戦(バンテリン)、3点差を追いかける4回に新外国人・チェイビスが左越え2ランを放つと、再び3点差に突き放された試合終盤も得点を奪う。8回に岡林勇希が左前適時打を放つと、9回に細川成也が守護神R.マルティネスから左中間に2ランをたたきこんで同点に。延長10回に1死満塁でボスラーの中犠飛でサヨナラ勝利を飾った。チームの命運を握るキーマン黄金ルーキーに黒星をつけなかったことも大きい。先発の金丸夢斗は4回に甲斐拓也に3ランを被弾するなど、6回途中6失点KO。今年は8試合登板で打線の援護が計8得点のみと好投を続けても報われず、プロ初白勝利を挙げられていなかった。9試合目の登板で自己ワーストの失点を喫したが、打線が奮起して逆転勝利を飾ったことで気持ちが救われただろう。他球団の関係者は「今回の巨人戦は痛打を浴びていましたが、ゲームメーク能力が非常に高い。内角に速い球をきっちり突けるし、スライダーやスプリットの精度が高い。1勝すれば精神的に楽になって、乗っていく雰囲気がある」と警戒を口にする。今季9試合登板で0勝4敗、防御率3.18。クォリティースタート(先発が6回以上投げ、かつ自責点3以内、QS)率は77.8%をマークしている。規定投球回に達していないが、この数字は高橋宏斗、松葉貴大の70.6%を上回る。大崩れせずに試合を作る能力が高い証だ。7月最後のカードとなった巨人戦で2勝1敗と勝ち越し、借金7に。2位・巨人と3ゲーム差に接近した。8月以降に同学年の絶対的エース・高橋宏斗と共に、金丸がどこまで白星を積み上げられるか。チームの命運を握るキーマンだ。(中町顕吾)
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