「茶碗蒸し」かき混ぜて食べるのはマナー違反? 実は...長崎の「元祖」老舗に食べ方を聞いた

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老舗茶碗蒸し店「どのように食べてもらっても構いません」

   茶碗蒸しにも使える出汁を出している醬油メーカー各社では、公式サイトなどでその特色や歴史について解説している。

   ヤマサ醤油(千葉県銚子市)のレシピサイトによると、江戸時代の1689年(元禄2年)に中国などとの交易が盛んだった長崎で、茶碗蒸しのルーツにもなる「卓袱(しっぽく)料理」が生まれた。その後、伊予松山の藩士であった吉田宗吉信武がその献立の1つの茶碗蒸しを食べて感動し、1866年(慶応2年)に長崎で蒸し物の専門店「吉宗(よっそう)」を開業したという。

   一方、茶碗蒸しについて、キッコーマン(千葉県野田市)の公式サイトでは、「だし汁と卵を味わう『汁物』です」と紹介している。

   長崎で開業した「吉宗」は、現在も、元祖とされる老舗として同市内で営業を続けている。

   その広報担当者は8月6日、取材に対し、茶碗蒸しの食べ方について、店の考えをこう説明した。

「7代目となる社長は、『どのように食べてもらっても構いません。肩ひじ張らずに楽しんでほしい』といつも言っています。お客様は、すくって食べたり、グジャグジャにして食べたりと、お好みの食べ方をされますね。多めの出汁で下の方が濃くなっていますので、味の変化を楽しまれるお客様もおられます。メニューの蒸し寿司にかけて、ネコまんまのように食べる方もおられます」

   店では、茶碗蒸しを丼サイズで出しており、食べやすいように、箸と陶器のレンゲを用意している。

   かき混ぜて最後は飲むのが正しい食べ方ともされたことについては、こう話した。

「何とも言えませんので、戸惑っています。上方などとは違うのかもしれませんが、お吸い物というのも、聞いたことがありません。蒸したてでは、箸で混ぜて飲んだりすれば、やけどしてしまいます。創業当初は、屋台でしたので、お店の茶碗蒸しは、かしこまって食べる料理ではありません。昭和初期の建物で敷居が高いと見られることもありますが、大衆食堂として楽しんでいただけたらと願っています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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