児童労働に配慮した原料使う「ブラックサンダー」、製造会社は全商品で取り組み完了 今後の展開は?

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プロジェクトを始めた理由は?

   どのような経緯から「スマイルカカオプロジェクト」を始めたのか。有楽製菓の経営品質部の担当者は、同社の河合伴治会長が18年に児童兵についての講演会に参加したことがきっかけだったと説明する。

   この講演会で、河合氏は、チョコレートに使われるカカオ豆にも児童労働の問題があると知った。それまでは「親の手伝いなどはあるだろう」と認識していた。だが、「それが労働といわれるほどのものだとは認識しておりませんでした」。この問題を何とかしたいと感じた河合氏が、社内で検討を始めたのだという。

   プロジェクトを実施しても、製品の値上げをせずにすんでいるという。担当者は、「生産の効率を高める、使用する包材のコスト削減を行ったことで費用を捻出しております」と説明している。

   その後、ブラックサンダーをスマイルカカオへと切り替えた。25年には全てのカカオ原料も切り替えることを掲げていたが、当時はこの目標を達成できるか分からなかったと、担当者は振り返る。しかし、24年に達成。このときの気持ちを次のように語った。

「その高い目標を目標年よりも前倒しで達成できたことは非常にうれしかったです。達成できた背景には多くの企業が前向きに弊社の活動に対する理解、ご協力を頂いたことがございます。ご協力を頂いた企業のみなさまに感謝申し上げたいと思います」

   全てのカカオ原料をスマイルカカオへと切り替えることを達成した現在、同社は児童労働の問題について今後どのように関わっていく予定なのか。

   担当者は、まず児童労働に関する現状に言及。国際労働機関(ILO)の報告では、児童労働は減少傾向にある。だが、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「2025年までに全ての形態の児童労働を撤廃する」は達成できなかった。

   担当者は、「このような事実を含めて児童労働がまだ発生しているということを多くの方に知って頂き、児童労働を撲滅できるようみなさまに考えて頂くきっかけが作りたいと考えております」と方針を示し、引き続き社会課題の撲滅に向けた活動を行うとしている。

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