米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)が2025年8月13日、WBA世界フェザー級王座に挑むサム・グッドマン(オーストラリア、26)のインタビュー記事を公開し、世界王座に初挑戦するグッドマンの心境を報じた。
グッドマンは井上戦を負傷のため2度キャンセル
グッドマンは16日にサウジアラビアで、WBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、28)に挑戦する。
プロデビュー以来、20勝(8KO)無敗を誇るグッドマンは、元スーパーバンタム級の選手で、24年12月24日にスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)に挑戦する予定だった。
ところが試合直前の練習中に左目上をカットし、試合は1か月後に延期。気持ちを切り替え仕切り直したが、またもグッドマンが練習中に左目上を負傷。今度は延期ではなく、試合中止となった。井上は、グッドマンの代替として、WBO同級11位キム・イェジョン(韓国)を相手に防衛戦を行った。
井上戦を2度キャンセルし、スーパーバンタム級での世界王座挑戦を諦めたグッドマンは、階級をひとつ上げ、フェザー級王者ボールに挑戦することになった。グッドマンにとって、これが初めての世界タイトルマッチとなる。
一方の王者ボールは、これが3度目の防衛戦となる。フェザー級王者の中でも実力者として知られ、一時は井上の対戦候補に浮上。25年12月に井上が階級をフェザー級に上げ、サウジアラビアでボールに挑戦する計画もあった。
「井上戦が消滅し、当時は本当に、本当に辛かった」
グッドマン、ボールともに、井上との対戦は実現していないが、将来的に対戦する可能性はある。このような状況のなか、グッドマンは「ボクシングニュース」の取材に対して、ボールに挑む心境を率直に語った。
グッドマンのインタビュー記事は、「サム・グッドマンは、ニック・ボールよりも井上尚弥が高く評価されることを否定」とのタイトルで公開された。
グッドマンは「『ボールは井上よりも簡単だ』と見る人もいるかもしれないが、スタイル的にはまったく別の試合だ。まったく別の挑戦となるだろう。私は、それぞれの試合をその都度受け止め、最善の準備をして、戦いに備えるだけ。今回もそうした」と語ったという。
そして、井上戦を2度キャンセルせざるを得なかった当時を、こう振り返った。
「本当に辛かった。今振り返ると、全てが私を今のこの位置に導いたんだ。人生のこの立場にもね。少し苦労したけど、当時は本当に、本当に辛かった。でも、全ては理由があって起こるものだから、今この試合が目の前にあるんだ」
井上は、将来的にフェザー級に転向する計画で、主要4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)のフェザー級王者は、必然的に対戦候補となる。