米スポーツ専門局「ESPN」(ウェブ版)が2025年8月25日、プロボクシングの特集記事を組み、同メディアが独自に選出する25年度の年間最優秀選手を検証し、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)を候補に挙げた。
「今年はまだ明確な有力候補は存在しない」
「2025年のボクシング候補者:年間最優秀ファイターに輝くのは誰か?」とのタイトルで記事を展開。「25年のボクシングスケジュール残り4か月となった現在、年間最優秀選手賞の明確な有力候補は存在しない」とし、次のように続けた。
「今年中には素晴らしいパフォーマンスが数多くあったが、他の選手と一線を画すほどの圧倒的なパフォーマンスはまだない。今年度のスケジュールには、まだいくつかの主要な試合が残っており、それらの試合で素晴らしいパフォーマンスが生まれ、議論の的となる可能性がある」
同メディアは、最優秀選手の候補として、年内に試合を予定している世界王者らをピックアップ。その中のひとりとして井上を挙げた。
記事では、「ザ・モンスターは今年、キム・イェジュンとラモン・カルデナスをKOで破るなど大暴れを続けており、25年の3戦目となる9月14日のアクマダリエフ戦に臨む。アフマダリエフを破るだけでは井上の年間最優秀選手賞が決定的になるわけではないが、25年に4戦目が実現すれば、確実にその議論の真っ只中に位置付けるだろう」とした。
12月にサウジアラビアでピカソ戦を計画
そして、「もし井上が今年4戦全勝で4KOを達成すれば、栄冠を手にする可能性が高い」と指摘した。
井上は、1月に挑戦者キム・イェジュン(韓国)を4回KOで下し、25年の初戦を飾った。5月には米ラスベガスでWBA世界スーパーバンタム級1位のラモン・カルデナス(米国)に8回TKO勝利。9月14日には、WBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と防衛戦を行う。
井上陣営は、25年は4試合を計画しており、アフマダリエフに勝利すれば、年末にサウジアラビアで防衛戦を行う見通しだ。
対戦相手は、WBC世界スーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(メキシコ)を予定。ピカソは、7月に亀田京之介(TMK)と対戦し、2-0の判定で勝利した。