アルピニストの野口健氏が2025年9月15日、閉山期の遭難への対応をめぐりXで持論をつづった。
閉山後の富士山「観光登山で行く場所ではありません」
野口氏が言及したのは、テレビ朝日系「1時半に23人も...通行止め無視 閉山後の富士山で『 無謀登山者』が続出」の見出しで報じた記事。記事は「サタデーステーション」の内容を伝えており、9月10日に登山シーズンが終了し、通行禁止の看板が設置された富士山に、無断で通行禁止エリアに侵入する「無謀登山者」が続出している、としていた。
夏の2か月間、富士山に住み込みで働きながら生活しているというカメラマンの「mush(植田めぐみ)」さんは、無謀登山者をめぐる報道について「富士山は閉山しています。山小屋やトイレも閉まり、山岳救助隊も常駐していません。携帯電話のアンテナも撤去され、電波も微弱です。観光登山で行く場所ではありません」と反応した。
野口氏はmushさんの投稿を引用し、「もう、閉山期に関しては遭難しても行政としては救助はしないと宣言すればいいのかもしれない」とつづった。
「できるところから改善していってほしい」
野口氏は「あくまでも民間ヘリによる救助に限ると。民間ヘリがそこまでカバーできるのか分かりませんが」とした上で、「いずれにせよ、山梨、静岡両県による救助では原則無料。故に安易に登ろうとする無自覚登山者が現れます」と無料救助をめぐる問題点を指摘した。
「または、閉山期に関しては公的ヘリでもかかる費用は全額請求できるようにルール変更を行うなど」とも訴えている。
野口氏の訴えには、「閉山期の救助は完全民間委託。そうすれば地元が儲かる。行政が救助に行こうとしたら『民業圧迫』で損害賠償請求すれば良い。登山保険とセットにすれば、さらに地元が儲かる」「ルール違反をした登山が遭難しかかって県(公務員)が救助活動した場合、なんで私たちの納めた税金を使わないといけないの? という理屈も当然だと思います。しかも救助する側も危険にさらし、もし救助隊員が遭難、死亡しても、登山者はお咎めないでしょう。できるところから改善していってほしい」など、共感の声が寄せられている。
野口氏は24年5月にも、オーバーツーリズム対策のため富士登山を有料化するとの報道をめぐり、「入山料金の額については議論の余地あり。国際的な感覚でも一万円でも安い。また、自国民と外国人で入山料を変えるのはよくあること。日本人1万円、外国人3万円。僕の感覚です」としていた。
もう、閉山期に関しては遭難しても行政としては救助はしないと宣言すればいいのかもしれない。あくまでも民間ヘリによる救助に限ると。民間ヘリがそこまでカバーできるのか分かりませんが。いずれにせよ、山梨、静岡両県による救助では原則無料。故に安易に登ろうとする無自覚登山者が現れます。または… https://t.co/DD5HddqM0j
— 野口健 (@kennoguchi0821) September 15, 2025