「殴って怖がらせる人がいます」高市早苗氏の「鹿」発言に批判 SNSの情報「自分なりに確認」主張も根拠示さず

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   石破茂首相の後任を決める自民党総裁選に出馬した、高市早苗前経済安保相の発言が物議を醸している。

   告示日の2025年9月22日に開かれた所見発表演説会で、地元である奈良の鹿について「足で蹴り上げるとんでもない人がいる」と述べ、外国人観光客を犯人視するかのような主張を展開。だが、その情報の真偽を疑う声が相次いでおり、首相を任せられるだけの情報リテラシーを危ぶむ見方も出ている。

  • 自民党総裁選、日本記者クラブ主催の公開討論会に参加した高市早苗氏(写真:つのだよしお/アフロ)
    自民党総裁選、日本記者クラブ主催の公開討論会に参加した高市早苗氏(写真:つのだよしお/アフロ)
  • へずまりゅう氏(2023年7月撮影)
    へずまりゅう氏(2023年7月撮影)
  • 自民党総裁選、日本記者クラブ主催の公開討論会に参加した高市早苗氏(写真:つのだよしお/アフロ)
  • へずまりゅう氏(2023年7月撮影)

「外国から観光に来て、日本人が大切にしているものを」

   高市氏は所見発表演説会で、冒頭からいきなりこう切り出した。

「皆様こんにちは。高市早苗、奈良の女です。大和の国で育ちました。奈良の女としては、奈良公園に1460頭以上住んでいる鹿のことを気にかけずにはいられません」

さらに持論を展開した。

「そんな奈良の鹿をですよ。足で蹴り上げるとんでもない人がいます。殴って怖がらせる人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと痛めつけようとする人がいるんだとすれば、皆さん、何かが行き過ぎている、そう思われませんか? SNSも目にしますよね」

   NHKの分析によると、この演説では「日本」と16回述べたのに次いで、「鹿」という言葉が11回登場したという。

   この主張は瞬く間に波紋を広げる結果に。共産党の小池晃書記局長は「排外主義的な議論をあおり立てるのは大きな問題がある」と批判し、国民民主党の玉木雄一郎代表は記者団に「外国人がやっていたとしたら、けしからん」と述べた。

   また立憲民主党の蓮舫参院議員は自身のX (旧Twitter)で「鹿への暴力行為は外国人のみならず日本人でも許してはいけません。外国人、しかも今は削除されているSNS映像が根拠とされたお話を自民党総裁候補が口にされたことに極めて違和感を覚えました。かつ、総裁にならずとも対応すべき案件です」と高市氏に噛み付いた。

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