自民党総裁選の候補者5人は2025年9月24日、日本記者クラブ主催の討論会でそれぞれの政策に対する質問に答えた。各候補に共通していたのは「外国人政策」の強化。テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」は翌25日の放送で、外国人政策を政権政策とする事の可否を論じた。「みんなデーブ・スペクターみたいになってくれれば」レギュラーコメンテーターの玉川徹さんは、「(5人は)日本の総理大臣になろうという人たちですよ、(だったら)まずは『日本人よ、落ち着け』というふうに言ってもらいたいですね」と、外国人排斥のムードが高まっているときに、それを煽るような政策を並べたことを批判した。そして、これから大幅に人口が減っていく日本は、外国人の力なしではやっていけないという現実を冷静に見るべきで、総理となる人が問うべきは「どうやって外国人に同化してもらうかって話だと思う。排斥するとかではない」と指摘した。さらに、「(日本に)入ってきてもらって、同化してもらえば、何も問題ないんです。だって、デーブ・スペクターがそこで話してたって、排斥しようって気にならないでしょ」とかなり強引に話を進める。これには司会の羽鳥慎一アナは「(デーブは)場合によってはちょっと(面倒くさい)...」と茶化す。玉川さんは「日本のことをよく知って、日本の中で暮らしていくんだ、日本人たちと、私は一緒に生活していくんだという思いを持っている人を、排斥する理由は何もないじゃないですか。みんなデーブさんみたいになってくれればいいだけの話」と言い切った。外国人受け入れをやめると恒常的なマイナス成長の恐れこの日のゲスト解説の国立社会保障・人口問題研究所の是川夕博士は、玉川さんの主張を補強する形でこう説明した。「日本経済研究センターが出した推計ですと、AIの実装などがかなり進んだ場合でも、もし外国人の受け入れをやめてしまったら、2030年代後半以降は恒常的にマイナス成長に陥るという試算も出ています。そういう事実をしっかり押さえたうえで、いわゆる移民政策や外国人政策を考えていく必要があると思います」デーブ・スペクターが日本中に溢れたら、うるさくてしょうがないだろうが、近い将来、日本の10人に1人が外国生まれの人たちになり、社会や経済の重要な担い手になる。この現実にどう向き合うか、総裁候補者からは何の提案もなかった。(シニアエディター関口一喜)
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