キャリーバッグ放置問題も過去最多
キャリーバッグでもう一つ問題になっているのは放置だ。部屋に残してホテルをチェックアウトしたり、路上に捨てたり、空港のロビーにも置いていく。関西空港に放置されたスーツケースは、2024年には816件で過去最多になった。大阪のあるホテルでは年間に200個以上が置きっぱなしにされ、その処分に15万円もかかったという。万博開催中の大阪は、繁華街に捨てられるキャリーバックも目立つ。
だったら、捨てられるスーツケースを回収して再利用できないかという会社が現れた。日本鞄材株式会社は捨てられたり不用になったスーツケースを回収し、再販売、素材リサイクル、寄付など「スーツケースリユースプロジェクト」を進めている。回収費は1個2200円。すでに、大手ホテルチェーンや宿泊施設との取り引きも始まっているという。
迷惑キャリーバッグのトラブルは、オーバーツーリズムに悩むイギリスやスペイン、フランスなどでも起きている。解決のいい知恵はないものか。
(シニアエディター 関口一喜)